King Crimson Data Base
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Red  -1974-

  1. Red ( Fripp ) / レッド
  2. Fallen Angel ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / 堕落天使
  3. One More Red Nightmare ( Fripp, Wetton ) / 再び赤い悪夢
  1. Providence ( Cross, Fripp, Wetton, Bruford ) / 神の導き
  2. Starless ( Cross, Fripp, Wetton, Palmer-James ) / スターレス

Robert Fripp    Guitar and Mellotron
John Wetton    Bass and Voice
William Bruford    Percussives

With thanks to:
David Cross    Violin
Mel Collins Soprano Saxphone
Ian McDonald    Alto Saxphone
Robin Miller    Oboe
Marc Charig    Cornet

Produced by King Crimson

『 Starless And Bible Black 』 リリース直後の1974年3月18日から、クリムゾンはヨーロッパ、北米ツアーに出る。 5月に一度イギリスに帰国した後、6月4日からアメリカでツアーを再開し、7月1日にニューヨークのセントラル・パークまでらライヴを続ける。 このセントラル・パークでのライヴは、後にフリップが「1969年以来最もパワフルなもの」と語っているだけに、正規盤での早期リリースに期待したい。
『 Red 』 は、アメリカからの帰国後、7月8日から8月上旬までかけてレコーディングされ、9月27日にリリースされている。
帰国と同時にクロスは脱退宣言、イアン・マクドナルド他過去の管楽器奏者が客演していること等話題には事欠かないアルバムであったが、発表と同時にフリップによって解散宣言がなされている。

  1. ” Red ” は、フリップによるインスト・ナンバー。
    ギター、ベース、ドラムともひたすら激しい演奏。 フリップは本曲をヘヴィ・メタルの古典のような発言をしているが、それはあくまでも音の質感においての話であり、変拍子を繰り返す複雑な構成で、縦ノリを許さない曲である。
  2. ” Fallen Angel ” は、バラード風な曲調ながら、バックの演奏はひたすらハード。 ロビン・ミラーとマーク・チャリグのソロは美しくかつ哀愁を漂わせている。
  3. ” One More Red Nightmare ” は、リチャード・パーマー・ジェイムスが作詞に係わっていない曲。 イントロでのギターのリフには期待させられる所があるが、ヴォーカル・パート、ラストのインスト・パートともあまり面白くない。
  4. ” Providence ” は、6月30日のプロヴィデンスでのライヴ・テイク。 脱退前のクロスのヴァイオリンが大きくフィーチャーされている。 ヴァイオリン・ソロ後のインプロ・パートは激しく、ひたすらハード。
  5. ” Starless ” は白眉の出来。 1974年のライヴではすでに演奏されており、マクドナルドとコリンズを加えた本テイクは正に完成形ともいえる素晴らしい演奏。 シンフォニックすることなく焦燥感をひたすら煽るメロトロンと乾いたような醒めたようなウェットンのヴォーカルの絡みも素晴らしいが、なによりもためにためた後の最後の盛り上がり、聴き終わった後に脱力感に襲われる程の凄まじい曲である。