- Larks' Tongues In Aspic, Part One ( Cross, Fripp, Wetton, Bruford, Muir
) / 太陽と戦慄パート I
- Book Of Saturday ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / 土曜日の本
- Exiles ( Cross, Fripp, Palmer-James ) / 放浪者
- Easy Money ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / イージー・マネー
- The Talking Drum ( Cross, Fripp, Wetton, Bruford, Muir ) / トーキング・ドラム
- Larks' Tongues In Aspic, Part Two ( Fripp ) / 太陽と戦慄パート II
David Cross Violin, Viola, Mellotron
Robert Fripp Guitar, Mellotron & Devices
John Wetton Bass & Vocals
Bill Bruford Drums
Jamie Muir Percussion & Allsorts
Produced by King Crimson
3人組とのクリムゾンの解体からわずか3ケ月後の1972年7月には本ラインナップが固まり、9月4日からフリップはリハーサルを開始している。 10月にドイツでのライブ、TV出演後、12月15日までイギリス・ツアーを行い、翌1973年1月から2月にかけて本アルバムをレコーディングしている。 レコーディング中に行われた、2月10日のマーキーでのギグにおいてミューアはゴングを足の上に落として負傷、そのままクリムゾンを脱退している。
本アルバムは、3月16日から7月2日まで続くイギリス、ヨーロッパ、アメリカ・ツアーの開始直後の3月23日にリリースされている。
- タイトル曲のパート1である、” Larks' Tongues In Aspic,
Part One ”
は、ミューアによる複数のパーカション演奏から始まる。 約3分ものミューアの独演後、クロスのヴァイオリン、フリップの歪んだギターが重なり、超弩級の主題に繋がって行く。 フリップとウェットンの絡みを中心とした演奏が続いた後、クロスのヴァイオリンとミューアのパーカションが絡むパートに繋がる。 そして最後はクロスのヴァイオリンとフリップのギターによるリフに、ヴォイス・コラージュが被さり一瞬ピークを迎えた後、おとなしく終了していく。
目まぐるしく変わる曲調の中、終始パーカションとノイズを放出し続けるミューアも凄いが、やはり一番凄いのは全員による超弩級の主題。 クリムゾン史上最もハードで重量感のあるパートである。
- ” Book Of Saturday ”
は、ベース、ヴァイオリン、ギターが、ウェットンのヴォーカルを損ねることなく、穏やかに絡んでくる。 ギターの逆回転を含め、フリップのバッキングの多彩さが際立っている。
- 不気味なノイズから始まる ” Exiles ”
は、ヴォーカル・パート、フリーな演奏が続くパート、ヴォーカル・パート、メロトロンとフリップのウーマン・トーンのギター・ソロとの絡みと続き、焦燥感のある盛り上がりを迎えて終了する。 ヴォーカル・パートでの各楽器のバッキングは前曲を世襲しているものの、充実感は本曲の方がある。 ヴォーカルのバックで一瞬聞こえるフルートはミューアによるものと思われる。
- ” Easy Money ”
は、イントロでの重量感のあるリフ、2回目のヴォーカル・パート直前のブルーフォードのドラム、2回目のヴォーカル・パートでのバッキング等聴き所もあるのだが、フリップのギター・ソロのパートが実は一番面白くなかったりする。
- 次曲の前奏曲でもある ” The Talking Drum ”
は、静かなノイズの後、一定のリズムの上に、クロスのヴァイオリンとフリップのギターが徐々に重なっていく。 音圧自体も徐々に増していき、最後に金属音が一鳴きして次曲に繋がる。
- ” Larks' Tongues In Aspic, Part Two ”
におけるフリップのるギター・リフは、彼のベスト・リフに挙げることができると思う。 パート1と同じく全編パーカションとノイズを放出し続けるミューア、各々がおかずを取り混ぜながらも見事なコンビネーションを見せるブルーフォード&ウェットン、フリップとのリフに絡んだりソロをとったりするクロス、フリップのギターのみならず全編聴き所ばかりの名曲だと思う。