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Earthbound  -1972-

  1. 21st Century Schizoid Man ( Fripp, Lake, McDonald, Giles, Sinfield ) / 21世紀のスキッツォイド・マン
  2. Peoria ( Fripp, Collins, Burrell, Wallace ) / ペオリア
  3. The Sailors Tale ( Fripp ) / 船乗りの話
  1. Earthbound ( Fripp, Collins, Burrell, Wallace ) / アースバウンド
  2. Groon ( Fripp ) / グルーン

Robert Fripp  Electric Guitar
Mel Collins  Alto, Tenor & Baritone Saxes; Mellotoron
Boz  Bass Guitar & Vocals
Ian Wallace  Drums

1972.2.11 : 21st Century Schizoid Man and Groon
1972.2.26 : The Sailors Tale
1972.2.27 : Earthbound
1972.3.10 : Peoria

シンフィールド脱退後、1972年2月11日よりクリムゾンはアメリカ・ツアーを再開する。 そして4月1日のツアー終了後、コリンズ、ボズ、ウォーレスの3人はアレクシス・コーナーの元に走り、クリムゾンは解散状態になる。
1972年6月9日にリリースされた本アルバムはシンフィールド脱退後のアメリカ・ツアーのライブ・アルバムである。 多くの場所で語られている通り、アンペックスのカセットで録音された音源を使用しているため音は著しく悪く、オリジナル・リリース時においてはアイランド・レーベルの廉価盤シリーズであるHELPからリリースされ、アメリカ発売は無し、現在もフリップの意向によりCD化はされていない。
構築美の欠片もない暴力的な音が凄まじく、フリップ対3人組の図式などどうでもよいくらい素晴らしい作品。
フリップは本作品のリミックス・バージョンのリリースを何度も表明しているが、今のところリリースには至っていないのが残念。

何度かリリースが噂されたCDだが、2002年に 30th Anniversary Edition として紙ジャケ・フォーマットで発売された。
同時に発売された 『 USA 』 と異なり収録曲の追加もなく、そのままのCD化であったのが残念。
(本項のみ2002年8月25日追加)

  1. ” 21st Century Schizoid Man ” のライブ・テイクの公式初リリースは、アメリカ・ツアーの初日の録音。 暴力的と言うよりも下品と言ってもいいほど汚らしい(悪口ではない)テイク。 フリップのギター以上にコリンズのサックスがいやらしく凄まじい。
  2. 「ライブでのインプロのタイトルに、録音場所の名前をつけるシリーズ」の第1段である ” Peoria ” は、3人組主導の曲。 本曲のつまらないところは、フォーマットがブルースであることではなく、3人組が提示するブルースのレベルが低いところにある。
  3. ” The Sailor's Tale ” は 『 Islands 』 での緊迫感がライブでさらに増長された素晴らしいテイク。 本曲のようなパフォーマンスが提供されたライブは是非体験したかったと思う。 ただ曲がフェード・アウトするのだけは大罰点。
  4. タイトル曲である ” Earthbound ” は、3人組主導ではじまるものの、後半からフリップのギター弾きまくり状態を堪能することができる。 もしフリップに手癖というものがあるとしたのならば、本曲のソロがそれに該当するのではないかと思う。
  5. ” Groon ” は原曲のスリリングさが活かされていないところが残念。 中間部の中途半端なブルース・ロックも情けないが、終盤部のウォーレスのシンセサイズされたドラム・ソロもつまらない。