King Crimson Data Base
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Islands  -1971-

  1. Formentera Lady ( Fripp, Sinfield ) / フォーメンテラ・レディ
  2. Sailor's Tale ( Fripp ) / 船乗りの話
  3. The Letters ( Fripp, Sinfield ) / レターズ
  1. Ladies Of The Road ( Fripp, Sinfield ) / レディース・オブ・ザ・ロード
  2. Prelude : Song Of The Gulls / プレリュード : かもめの歌
  3. Islands ( Fripp, Sinfield )  / アイランズ

Robert Fripp : guitar, mellotron, Peter's Pedal Harmonium and sundry implements.
Mel Collins : flute, bass flute, saxes and vocals.
Boz : bass guitar, lead vocals and choreography.
Ian Wallace : drums, percussion and vocal.
Peter Sinfield : words, sounds and visions

Featured players
Keith Tippett : piano.
Paulina Lucas : soprano.
Robin Miller : oboe.
Mark Charig : cornet.
Harry Miller : string bass.

Produced by King Crimson

『 Lizard 』 リリース後のハスケルの脱退によりライブ活動を行えなくなったクリムゾンは、ヴォーカル探しから始めることになる。 フリップの言っていることがどこまで本当かはわからないが、ブライアン・フェリー ( 不合格 )、イアン・ウォーレス ( 不合格後、ドラマーであることがわかりマッカロックを解雇して採用 ) も参加したオーディションの結果、ボズを採用することになる。( 合格後ベースをフリップが教える )
1971年4月12日にフランクフルトで1年半弱ぶりにライブを行ったクリムゾンは、6月2日までツアーを行った後、本作品のリハーサルとレコーディングを開始した。 その後イギリス内でのツアーと平行してレコーディングは続けられ、12月3日にリリースされている。
本作品リリース時に行われていたアメリカ・ツアー後に、シンフィールドは脱退し、フリップとシンフィールドのコラボレーションはここで終了することになる。
尚、現行の The Definitive Edition ではカットされているものの、” Islands ” の後にリハーサルの音がノン・クレジットで短く収録されている。 『 Frame By Frame 』 においても追加収録されているが、実際の所たいした音源ではない。( King Crimson 30th Anniversary Edition にて再復活)

  1. ハリー・ミラーの重苦しいストリング・ベースで始まる ” Formentera Lady ” は、様々なパーカッション、ピアノ、フルートが、ボズのヴォーカルを装飾していく。 ドラムとベースが一定のリズムを刻む後半には、フリップのギター、ポリーナ・ルーカスのソプラノ、そしてサックス、パーカッション、そして最後に再び不気味なストリングスまで鳴り響き次曲につながっていく。
  2. ” Sailor's Tale” は、この時期のクリムゾンのベストの曲だと思う。 タイトなリズムをベースに、フリップの緊迫感あふれるギターと、適度に絡むコリンズのサックス。 そして後半にフィーチャーされるメロトロンもシンフォニック度ゼロの焦燥感あふれる音。 ヴォーカル・パートのない本曲の完成度の高さが、シンフィールドの存在価値が無くなっていることを象徴している。
  3. ” The Letters ” は、シンフィールドの趣味がもろに現れたヴォーカル・パートと、フリップ(と他の演奏者)の趣味が出ているインスト・パートの落差が激しく、曲としてのまとまりに欠けている。 本来ならばその溝を埋める役割を担うべきボズのヴォーカルに深みが無いことが、混乱に輪をかけている。
  4. ” Ladies Of The Road ” は、” Cat Food ”の曲の骨格を2流にしたような曲。 不作法なサックス、がなり立てるコーラス、この時代においてさえ時代遅れと思われるギターの逆回転が、下品さに輪をかけている。
  5. ” Prelude ” は完全なる管弦楽。 クラッシックに対しての素養が全くない自分にとって、この曲についての判断を適切に行うことはできない。 が、クリムゾンのファンの立場としては、全くつまらない曲と言い切ることができる。
  6. ” Islands ” では、自己主張しすぎない楽器の各音が重なりあい、高揚感のない穏やかなエンディングを迎える。 ピアノ、サックス、コルネット、メロトロン、ギターと音数は多彩さはクリムゾンの楽曲の中でも有数なのだが、各楽器が決して絡み合わないため、不思議なほど穏やかである。