1976
In Search Of Ancient Gods : Absolute Elsewhere
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Percussion
クリムゾン解散後のブルーフォードの迷走を象徴するアルバムの一つがこれ。
プログレの隠れ名盤として紹介されることが多い本アルバムだが、実際にはせいぜい
「
シンセサイザーをリード楽器に多用したインスト曲集、但し曲の区別は付きにくい
」 といったところか。
ブルーフォードの存在感は全くない。
(追加:1999年8月10日)
Seconds Out : Genesis
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Ludwig and Hayman Drums and Percussion
このアルバムのリリースにより、ブルーフォードはイエス、クリムゾン、ジェネシスといったプログレ大御所3バンドに参加したことになる。 残るはEとPだけか。 セッション以外の可能性はゼロだが。
フィル・コリンズとのドラム・バトルも収録されており、緊張感高い演奏が繰り広げられる。 これで全ての曲がブルーフォードなら最高なのだが、1曲以外はチェスター・トンプソン(と、フィル・コリンズ)による演奏である。
(追加:1999年8月10日)
Three Side Live : Genesis
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リリースは1982年
Drums
ブルーフォード参加のジェネシスのライブをせめてもう1曲でも聴きたい、という要望に応えてくれたのか、1981年のツアーのライブ・アルバムに
” It / Watcher Of The Skies ”
のメドレーが収録されている。 結果両曲とも完全収録ではないのが残念ではあるが、特に
” Watcher Of The Skies ”
からの手数の多すぎるドラミングは、ブルーフォードの真骨頂といった素晴らしい演奏である。
(追加:1999年8月10日)
Genesis In Concert 1976
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ブルーフォード参加のジェネシスのライブを収録した映像作品。 ヴィデオ時代からリリースされていたが、2007年に
『 A Trick Of The Tail 』 のボーナスDVDに再収録された。
コリンズがヴォーカルに専念する時は勿論、ドラムを演奏しているする時もブルーフォードの活躍する場面がちゃんと用意されている。
にもかかわらず、目立っていない。 正式メンバーでないことを踏まえれば当然のことかもしれないが、それ以上にエンターテイナーとしての完成度が高いフィル・コリンズと並んでしまったのが敗因だと思う。
ドラマーとしての評価が高いコリンズがタンバリンを踊りながら叩いて聴衆を沸かせたりするのは、ドラム道を極めようとするブルーフォードにしてみれば邪道なのかもしれない。 ただこのコリンズのエンターテイメント性の1/10でもいいからブルーフォードが参考にしていたら、その後の活動ももう少し変わっていたと思う。
(追加:2007年8月15日)
Live In London 76 : Genesis
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リリースは2018年
Phil Collins - Vocals, Drums
Tony Banks -
Keyboards
Mike Rutherford - Bass, Guitar, Vocals
Steve Hackett -
Guitar
Bill Bruford - Drums, Percussion
King Biscuit Flower Hour で放送された音源を CD化した作品。
こう書いただけで、適当な選曲と劣悪な音質が想像されるのだが、本作品は比較的まともな方である。
そして、音質が比較的まともであるにもかかわらずブルーフォードのドラムが目立っていないということは、やはりジェネシスのセカンド・ドラマーとしての活躍機会が限られていたのではないかと思われる。
フィル・コリンズとのツイン・ドラムの場面だけでななく、そのコリンズがヴォーカルに専念しているためブルーフォード一人で叩いているであろう曲でも存在感が薄い。
日本盤解説には、ブルーフォードがジェネシスへの正式参加を望んでいたとの記載があるのだが、存在感も、そしてやる気もない演奏を聴いていると、そんなことはなかっただろうと思う。
(追加:2019年8月10日)
Live In Pittsburgh '76 : Genesis
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立て続けにリリースされる King Biscuit Flower Hour で放送されたジェネシスのライヴ音源。 1976年4月のペンシルベニアでのライヴが収録されている。
同年のロンドンでの音源よりも音質がまともなのと、何よりも CD2 枚に渡ってコンサートが(多分)全編収録されていることが嬉しい。
一方いままではコンサートの一部音源のみがリリースされていたため、本当はブルーフォードが大活躍する場面があったのかもしれないとの一縷の望みがあったのだが、本作品がリリースされたことでブルーフォードがジェネシスにおいて活躍する場面が全く無かったことが明らかになっている。
勿論ブルーフォードにしてみれば、ジェネシスで活躍できなかったことなど全く意に介していないだろうが、8人YES でもドラムを平気で叩いてしまうような柔軟性がこの頃のブルーフォードにもう少しあれば、また違った展開もあったのではないかと思う。
(追加:2021年8月10日)
Live... 1976 : National Health
School Of Economics, London Feb 14th 1976 BBC
Dundee, University of Dundee, UK Feb 22th 1976
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リリースは2019年
離散集合を繰り返すカンタベリーを代表するバンドの1つ、ナショナル・ヘルスの発掘音源。
ビル・ブルーフォードがナショナル・ヘルスで短期間ドラムを担当したことは、1996年にリリースされた 『 Missing Pieces 』
で明らかになっているが、同作にも収録されたものも含め、2回のライヴとBBC音源が収録されている。
総じて楽曲を聴いているというよりも、ただ演奏を聴かされているような感覚に襲われる。
ナショナル・ヘルスが好きで好きで堪らない方には申し訳ないが、多くを占める10分強の長尺曲にメリハリがなく、2枚組2時間半を集中して聴き続けるのはちょっと難しい。
テクニカル志向のブルーフォードでさえ短期間に離脱したのは、この辺りに理由があるのかもしれない。
(追加:2020年9月10日)
At The Sound Of The Bell : Pavlov's Dog
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Drums
いわゆるアメリカン・プログレ・バンドであるパブロフ・ドッグのセカンド・アルバムにブルーフォードはゲストながら全曲に参加している。 大仰でキレのないまったりとした音は、正にアメリカのバンドの真骨頂といったところだが、そんな中にブルーフォードが見事に埋没してしまっているのが情けない。
抜けるようなスネア音で、シャープなリズムを構築してくれたのならもっと良かったのに。
(追加:1999年8月10日)
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Snare Drums
プロコフィエフの 『 ピーターと狼 』
のロック版。 キース・ティペット、イーノ、ゲイリー・ムーア、パーシー・ジョーンズ、マンフレッド・マン等、他の参加メンバーも豪華で、演奏も面白くB級名盤といったところ。
ブルーフォードは、” Hunters ”
においてジョン・ハイズマンとともにスネア ( のみ )
を演奏している。ちなみにこの曲、バスドラはコージー・パウエル、シンバルはフィル・コリンズである。 同時にレコーディングした可能性は殆どないであろう。
(追加:1999年8月10日)
1977
The X-Files : Brand X
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Drums
ブランドXの編集盤。 1枚目は未発表テイクを中心とした編集、2枚目はジョン・グッドソールとパーシー・ジョーンズのセッション、プロジェクトの未発表テイクを編集したもの。
ブルーフォードは初期ブランドXに参加していたらしいが、本作品にはブランドXとしてのテイクは収録されておらず、ジョン・グッドソールがソロ・アルバムのために1977年にレコーディングしていたテイクに参加している。
カセット・テープでしか残っていなかった音源をDAT変換しただけに音質は悪く、ジョン・グッドソールの情緒垂れ流しギターだけが目立ち、本来ならばスコーン、スコーンと抜けるような音であろうスネアが曇って聴こえることが残念である。
(追加:1999年8月10日)
Feels Good To Me : Bill Bruford
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Tuned And Untuned Percussion, Kit Drums, Tunes And Final Say
歴史的名盤ですね、これは。
” Beelzebub ”
のイントロに代表されるドラムの格好よさ、タイトル曲に代表されるブルーフォードの作曲能力の高さ等、非の打ち所が無い上に、ラストの
” Adios A La Pasada ( Goodbye To The Past )
”
では大袈裟なエンディングで見事なまでの高揚感を与えてくれる素晴らしい作品。 ブルーフォードの全プロダクツの中でここまで充実したものは無いと思う。
(追加:1999年8月10日)
1978
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Kit Drums And Percussion
本アルバムにおいては、ブルーフォードとホールズワース、ウェットンとジョブソンという二極化はそれほど顕著化しておらず、言われているほどには後の分裂は予想できない。 もう1枚位このメンバーでスタジオでアルバムを制作してほしかった。
前年にリリースされたソロ・アルバム、本作とクリムゾン解散後迷走していたブルーフォードが一時期にこれだけ充実したアルバムをリリースすることができたのは奇跡に近いのかもしれない。
(追加:1999年8月10日)
Concert Classics Volume 4. : UK
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リリースは1999年
Kit Drums And Percussion
ラジオ音源、テープ・ピッチの遅れ、クレジット・ミスと、海賊盤の条件を全て満たしている公式ライブ・アルバム。
色々な観点から聴くことができるが、ビル・ブルーフォードに絞ると
” The Only Thing She Needs ”、” Carrying No Cross ” 、”
Caesar's Palace Blues ” といった3人UKの曲のスタジオ・アルバムとの違いに興味が注がれる。 ” The Only Thing She Needs ”、” Carrying No Cross ”
のインスト部のノリはブルーフォードそのもので全く別曲として楽しむことができるが、逆に
” Caesar's Palace Blues ” は3人UKバージョンと比べて冗長性を感じてしまう。
UKとブルーフォードという2つのバンドへの分裂を、後付で論理づけることができる貴重なアルバム。
(追加:1999年8月10日)
X - Dreams : Annette Peacock
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Drums
『 Feels Good To Me 』
にも参加しているアーネット・ピーコックのアルバム。 あまり狭義に考えてもいけないのかもしれないが、いわゆるジャズ・ヴォーカル・アルバムというのが一番の落としどころかもしれない。
ブルーフォードがどの曲に参加しているのかはクレジットが明確にされていないためわからないが、”
My Mama Never Taught Me How To Cock ”
が怪しいと思う。 同曲にしてもブルーフォードらしさはあまり感じられないけど。
(追加:1999年8月10日)
1979
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The Drums
UK脱退後、バンドとしてのブルーフォードのファースト・アルバム。 フォーマットがジャズ、フュージョン、プログレのどれであれ、テクニック至上主義のバンドの場合、曲の良し悪しが重要であることを証明するようなアルバム。 良い曲と捨て曲の落差が激しいのが残念。
” The Abingdon Chasp ”
でのエディ・ジョブソンのヴァイオリン (ノン・クレジット)
は嬉しいが、全体においてホールズワースのギターに情緒垂れ流しなところがあり、聴き続けているとうんざりしてくることがある。 ブルーフォードのドラムは派手なところが少なく意外に地味だったりする。
(追加:1999年8月10日)
Rock Goes To College : Bruford
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The Group
Annette Peacock : vocals
Allan Holdsworth : guitar
Dave Stewart : keyboards
Jeff Berlin : bass
Bill Bruford : drums, percussion
素晴らしい映像作品。
ホールズワース在籍時の Bruford の作品を、BBCで放送されたとはいえ、ここまでの高画質で観ることができるのは殆ど奇跡に近い。
意外だったのはブルーフォードのパーカッション・ワークスで、生楽器をそのままシモンズに置き換えると、Discipline
Crimson での演奏と酷似している。 Discipline
結成時に、ブルーフォードがベーシストとしてジェフ・バーリンを推薦してフリップに却下されたとのことだが、ジェフ・バーリンの演奏スタイル云々以前に、Bruford
色が濃くなるのをフリップが嫌ったためではないかとまで思えてくる。
デイヴ・スチュアートの達者なキーボードと、淡々とした佇まいで圧倒的なギター・ソロを決めるホールズワースという対比も充分に楽しむことができ、クリムゾン関連の映像作品としてはマストだと思う。
ただ、ひとつ難点を言えばアーネット・ピーコックのヴォーカルだと思う。 鏡の前で練習しましたと言わんばかりのぎこちないステージ・アクションと、緊張していることだけが原因とは思えない不安定な音程は、演奏だけ楽しませてほしいと思わせる程の破壊力がある。
(追加:2006年10月25日)
The Bruford Tapes : Bruford
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Drums, Percussion Electric Chat
全体のバランスなど考えず、ブルーフォードのドラムとリード楽器のフェイダーだけを思いっきりあげたようなミキシングに先ずぶっ飛ぶライブ・アルバム。 ヘッドホンで聴いていると頭が痛くなってくるが、意外と癖になる。
楽曲の素晴らしさをあらためて認識することができ、この時期の充実具合がよくわかる。 ただ良い意味で楽曲の完成度が高いだけに、ブルーフォード自ら自由度を失っており、ドラミングについては多少物足りないところもある。
(追加:1999年8月10日)
The Steve Howe Album : Steve Howe
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Drums
ファースト・アルバム ( 1975 )
に続き、ブルーフォードはスティーブ・ハウのセカンド・アルバムにも参加している。 自身のバンド、ブルーフォードに陰りが見え始めていた時期に、脱退したバンドのメンバーのソロに参加するブルーフォード。 複雑な性格である。
スティーブ・ハウがフリップ・ライクなギター・ソロをとる箇所があるが、その部分にはブルーフォードのドラムがなく残念。
(追加:1999年8月10日)
1980
Gradually Going Tornado : Bruford
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Drums And Cymbals
本アルバムをもってブルーフォードは解体するわけだが、アルバムの出来具合を踏まえるとしょうがないことであったのかもしれない。
原因はジェフ・バーリンの下手くそなヴォーカルにあるのではなく、インスト部でのマンネリ、緊張感のなささだと思われる。 デイヴ・スチュワートとブルーフォードの手癖に頼ったような演奏、ホールズワースの後任であるジョン・クラークの締まりのないギター等さすがに悲しくなってくる。
この後ブルーフォードはディシプリン・クリムゾンに加入することになるのだが、本アルバムでのインスト部の行き詰まりから、シモンズの導入が計られたのではないかと想像したい。
(追加:1999年8月10日)