1969
YES : YES
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Drums, Vibes
イエスのファースト・アルバムであるとともに、ブルーフォード初のレコーディング作品。
大枠でくくればサイケデリックな作品となるのであろうが、ジャズ的要素や無用なまでに上手いコーラス、ヘヴィなリフにポップなメロディと、強いて無いものを挙げればプログレ要素だけというごった煮作品。 各要素がバラバラで融合しているところがなく、素材がそのまま提示されている。 この辺りの扱いに困るのか、雑誌等でのイエスの特集では昔から「否定はできないけどなんだかなぁ」といったスタンスで紹介されている。
ブルーフォードを中心にピックアップすると以下の通り。
” I See You ”
の中間部のドラムとギターだけになるところは、ジャズ・ロックというより、もろジャズ。 従ってあまり面白いものではない。
” Yesterday And Today ”
ではブルーフォードがヴァイブを演奏している。 メロ・タムやシモンズに走る要素が既に現れているのがほほえましい。
共作をしている ” Harold Land ”
のタイトルは、ジャズ・テナー・サックス奏者のハロルド・ランドからブルーフォードがとったもの。
(改訂:2003年3月10日)
(初版:1999年8月25日)
1970
Time And A Word : YES
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オーケストラとの競演がやたらと評判を落としているイエスのセカンド・アルバム。
確かにオーケストラによるパートと、イエスによる演奏パートの絡みは全く無く、各々の音がそのままぶち込まれているような印象を受ける。 このぶち込み感は前作からのもので、オーケストラの音を使用しているか否かを除けば、前作との共通点が非常に多い作品だと思う。
前作ではリズムのジャスト感を強調したジャズ寄りの演奏をしていたブルーフォードも、前ノリの演奏が増えロック色が強く出ている。 その結果もあってか、ブルーフォードとクリス・スクワイアのコンビネーションは完成形に近づいており、特に
” Then ” や ”
The Prophet ” における疾走感はひたすら格好良い。
(改訂:2003年3月10日)
(初版:1999年8月25日)
1969-70
Something's Coming The BBC Recordings 1969 - 1970 : YES
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リリースは1997年
アルバム未収録曲等も収録されたBBC音源。
イエスとしてのブルーフォードのライブ音源は、本作と 『 Yessongs
』
しかないわけだが、ブルーフォードのファンの立場としてはどちらもあまり面白くない。
『 Yessongs 』
は収録曲が少なく消化不良なところがその理由なのだが、本作の場合、オン・エアを意識したのか、バンドとしても、ブルーフォードとしてもこぢんまりとした演奏で、緊張感があまり感じられない。 残念。
(追加:1999年8月25日)