1977
You Can't Do That On Stage Anymore Vol. 6 : Frank Zappa
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Adrian Belew ( guitar / vocal )
再発が進むザッパの 『 You Can't Do That On Stage Anymore 』
シリーズの第6弾。 ブリューがクレジットされているのは4曲。
とは言っても、CD1の3曲はザッパに依る下ネタ・トークが中心で、ブリューの活躍場面は殆ど無い。 一方、”
Tryin' To Grow A Chin
” では『 Sheik Yerbouti 』 収録テイクと同じく大活躍。 ” Hotel California ”
にも似たツイン・ギターのソロをザッパと見事に決めている。
ブリューのザッパとの活動は長くないが、もう少し続いていたら、また別な展開があったのではないかと思えてくる。 そう思わせるほどの、充実した演奏である。
引き抜いたボウイ、それを許したザッパ、そして当のブリューの3人の判断が、その後引き続き見事な活動をしたことも、また素晴らしい。
(追加:2012年9月10日)
1978
Stage : David Bowie
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The Band
Carlos Alomar Rhythm Guitar
Adrian Belew Lead Guitar
Dennis Davis Drums, Percussion
Simon House Electric Violin
Sean Mayes Piano, String Ensemble
George Murray Bass Guitar
Roger Powell Keyboards and Synthesizer
David Bowie Chamberlain
Background Vocals Carlos Alomar, Adrian Belew, Sean
Mayes, George Murray, Roger Powell
リマスターに併せ収録曲を追加し、曲順を入れ替えて再発されたデヴィッド・ボウイのライヴ・アルバム。 改めて聴き直してみたのだが、やはり傑作だと思う。
スコアを通りの当たり障りのない演奏をしているとか、躍動感が感じられないとか、そんなマイナス要因は全くないにも拘わらず、何故かライヴ・アルバムのように思えない不思議な作品。
バンドとしての充実度、ショーとしての充実度がなせる技だと思うのだが、オリジナル作品と言っても過言ではない程完成度の高い作品。 それ故、本作品においてブリューの演奏は目立っていない。 それなりにトリッキーな演奏もしているし、フリップのコピーも頑張っていると思う。
しかし相手が悪すぎた。 この時期のボウイと対峙することやはり不可能だったと思う。 あり得ない話だったと思うが、この時期フリップとイーノがボウイとライヴで共演していたら、どんなことになっていたのだろうか。
(追加:2005年4月25日)
1979
Sheik Yerbouti : Frank Zappa
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Frank Zappa lead guitar, vocals
Adrian Belew rhythm guitar, vocals
Tommy Mars keyboards, vocals
Peter Wolf keyboards, butter
Patrick O'Hearn bass, vocals
Terry Bozzio drums, vocals
Ed Mann percussion, vocals
David Ocker clarinets on Wild Love
Napoleon M. Brock backing vocals
Andre Lewis backing vocals
Randy Thornton backing vocals
Davey Moire backing vocals
ライヴ音源をベースにスタジオで加工するというザッパお得意のパターンの本作品に、ブリューはギターとヴォーカル(数曲はリード・ヴォーカル)で参加している。
ザッパのコンサートを観てボウイがブリューを採用、そのボウイのコンサートを観てイーノがトーキング・ヘッズの
『 Remain In Light 』
に参加させたと言われており、本作は正にブリューのサクセス・ストーリーの始まりと位置付けられる。
確かにブリューの貢献度は高く、注目を浴びるだけの活躍をしている。 ブリューに限らず新しい才能を発掘し、そしてリリースしていくザッパの音楽センスと懐の深さはやはり、特筆すべき才能だと思う。
(追加:2008年9月26日)
Lodger : David Bowie
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The Personnel:
David Bowie ( vocals, piano, synthesizer, chamberlain, guitar )
Brian Eno ( ambient drone, piano, prepared piano and cricket menace, horse trumpet, eroica
horn, synthesizers and guitar treatments )
Adrian Belew ( guitar, mandolin )
Carlos Alomar ( guitar )
Dennis Davis ( percussion )
George Murray ( bass )
Sean Mayes ( piano )
Simon House ( violin, mandolin )
Roger Powell ( synthesizer )
Tony Visconti ( mandolin, guitar, rhythm guitar, backing vocal )
Stan ( saxophone )
『 Stage 』
のメンバーでレコーディングされたボウイの作品。
『 "Heroes" 』 と 『 Scary Monsters 』
という2つの傑作に挟まれているため分が悪いこともあるが、本作品の印象が薄いのは、必殺の1曲が収録されていないことだと思う。 大衆路線に走った
『 Let's Dance 』
も、その方向性に好き嫌いはあったとしても、タイトル曲の出来は素晴らしかった。 シングル化されたかを問わず、残念ながら本作品にはキラー・チューンと呼べる楽曲はない。
ブリューの本作品への寄与度はあまり高くない。 ブリューにとっての本作品の意義は、イーノ絡みで
『 Remain In Light 』 への参加の布石になったことだけだと思う。
(追加:2008年5月10日)
1980
Remain In Light : Talking Heads
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Guitars : Adrian Belew, Jerry Harrison, David Byrne.
Basses : Jerry Harrison, Tina Weymouth, David Byrne, Brian Eno.
Keyboards : Tina Weymouth, David Byrne, Brian Eno, Chris Frantz, Jerry Harrison.
Drum Kit : Chris Frantz.
Percussion : Jose Rossy, David Bryne, Brian Eno, Chris Frantz, Tina Weymouth,Jerry
Harrison, Robert Palmer.
Voices : David Byrne, Brian Eno, Nona Hendryx.
Trumpets and Horn Arrangements ( Houses In Motion ) : Jon Hassel.
All Songs Written by David Byrne, Brian Eno and Talking Heads Words : David Byrne, except David Byrne and Brian Eno on Crosseyed And Painless, Born Under Punches Produced by Brian Eno
ディシプリン・クリムゾンを揶揄するときに、「
トーキング・ヘッズみたい 」
という文句がよく使われたが、本作品を聴いてみると、そのような文句を使用した人がディシプリン・クリムゾンのことも、トーキング・ヘッズのこともまともに聴いていなかったということがよくわかる。 強いて共通点を探すとなると、デヴィッド・バーンのヴォーカル・スタイルくらいなものである。
フランク・ザッパ、デヴィッド・ボウイ等のアルバムへの参加で注目を浴びるようになってきたブリューは、本作品への参加をもって一気にその名をとどろかすことになる。 バッキングもさることながら、やはりディストーションをかけまくったギター・ソロが格好良い。 ”
The Great Curve ” でのギター・ソロは特筆に値すると思う。
アルバム自体は好き嫌いが極端に別れると思う。 世間一般的には80年代を代表する傑作ということになる。
Rome Concert 1980 : Talking Heads
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リリースは2009年
David Byrne Vocals, Guitar Tina Weymouth Bass, Guitar, Vocals Jerry Harrison Synthesizers, Keyboards, Guitar, Vocals Chris Frantz Drums Adrian Belew Lead Guitar, Vocals Busta Jones Bass Steven Scales Percussion Dolette McDonald Vocals Bernie Worrell Clavinet
Palaeur Arena, Rome, Italy, December 18, 1980
『 Remain In Light 』
時期のトーキング・ヘッズのライヴ・アルバム。 ということで、当然ブリューのパフォーマンスが収録されている。
ボーナス・トラックが入り曲数が増えた 『 The Name Of This Band Is
Talking Heads 』
がリリースされている状況において、本作品の意義がどこにあるのか疑問は残るものの、わざわざ
「 Lead Guitar 」
とクレジットされたブリューの演奏を堪能するには充分の作品である。 アーミングを多用したギター・ソロや、擬音・効果音のオン・パレードで、バックの律儀な演奏との対比が面白い。
(追加:2009年9月10日)