1965
All Night Worker : Zoot Money's Big Roll Band with George Melly
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リリースは2018年
Zoot Money - vocals, keyboards
Nick Newall - saxophone
John
Almond - saxophone
Andy Summers - lead guitar
Paul Williams - bass
guitar
Colin Allen - drums
Live broadcasts from 1965
2018年4月21日の Record Store Day 2018
で発売された作品で、ズート・マネーズ・ビッグ・ロール・バンドの発掘ライヴ音源を収録している。
ということで、アンディ・サマーズの最初期のライヴ音源を収録した貴重な作品となっている。
ただメイン・インスツルメンツは当然ズート・マネーのオルガンであり、サマーズのギターが目立つことはない。
ポリスの結成よりはるか前、アニマルズに参加するより3年も前の若いサマーズの姿がジャケットに掲載されているのも貴重である。
(追加:2018年4月25日)
1968
Love Is : Eric Burdon & The Animals
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Eric Burdon lead vocals
Zoot Money organ, various pianos, bass guitar, vocals
Andy Summers guitars, vocals
John Weider guitars, vocals
Barry Jenkins drums, percussion, vocals
エリック・バードン&ジ・アニマルズのラスト・アルバム。
ブルースにどっぷりはまった作品と言えば良いのだろうか。 エリック・バードンのヴォーカルは、オリジナル楽曲以上にカヴァー楽曲でより粘っこさが増している。
アンディー・サマーズは、ズート・マニーに引っ張られてきて参加しているのだが、正統派ブルース・ギターリストといった演奏をしている。
サマーズが1942年生まれということを踏まえると、本作リリースには既に25歳だったということになる。 本作が25歳、ポリスの 『
Synchronicity 』 が40歳、最新ユニットのサーカ・ゼロが72歳ということになるのか。
(追加:2016年10月25日)
1984
2010 / To Hal And Back : Andy Summers
『 2010年宇宙の旅 』 の続編である 『 2010年 』
のサウンドトラックにアンディ・サマーズはタイトル曲1曲のみに参加している。
大コケした映画同様サウンドトラックも殆ど話題にならなかったが、ギター・シンセサイザーを駆使したサマーズの曲は素晴らしい。 ”
ツァラトゥストラはかく語りき ” の使い方も上手い。
個人的には、ロバート・フリップとのコラボレーションの結果が、本楽曲に昇華されているのではないかと推測している。
シングルのB面はサントラ未収録曲だが、こちらもスリリングなギター・インストである。
(追加:2017年8月10日)
The Wild Life Music From The Original Motion Picture Soundtrack
Guitars And Vocals : Andy Summers
Drums : Paul
Bevious
Keyboards : Chris Winter
Bass : Chris Childs
おバカ系青春物語と思われる映画のサウンドトラック。
本作品最大の売りは、エドワード・ヴァン・ヘイレンのギター弾きまくりインストと、キース・リチャーズとロン・ウッドがギターを弾いているチャーリー・セクストンの楽曲なのだが、地味にアンディ・サマーズの楽曲が収録されている。
ポリス・ブランドが当然期待された時期であり、その期待に見事に応えた楽曲となっている。
焦燥感と疾走感が程よく入り混じっており、サマーズによるヘタウマなヴォーカルも悪くない。
(追加:2020年12月25日)
1986
Original Motion Picture Soundtrack Down And Out In Beverly Hills
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Produced and Composed by Andy Summers except* Composed by Andy Summers and Tony Humecke
コメディ映画のサウンドトラックのインスト曲を、アンディ・サマーズが担当している。
これは...酷い。
アコースティック・ギターをメインにしたインスト、テックス・メックス系のサウンド、そしてフリップとのコラボレーションの没テイクのような楽曲で構成されている。
ポリスというネームバリュー、そして 『 2010年』
への提供曲が秀逸であったことからサントラの半分を任されたのだろうが、本人にやる気があったとは思えない、というか思いたくない。
ソロとしてのキャリアを2歩進んで3歩戻ってしまったような結果となっている。 残念。
(追加:2017年8月10日)
1987
XYZ : Andy Summers
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Andy Summers Guitar, bass,
vocals
David Hentschel Keyboards, drum programs
Michael G. Fisher Percussion on Nowhere, Love is the
Strangest Way and Almost There
Nan Vernon Accompanying vocals on Love is the
Strangest Way, How Many Days and Almost There ; backing vocals on Eyes
of a Stranger
Chris Childs Bass on Eyes of a Stranger
Rik May Bass on Hold Me
Abraham Laboriel Bass on Scary Voices
Oren, Julia & Maxine Walters Backing vocals on
Nowhere, Hold Me and How Many Days
Greta Gold Additional backing vocals on Eyes of a
Stranger
ポリスが解散というか消滅した後にリリースされた、アンディ・サマーズのソロ・アルバム。
スティングが王道ロック・スターの道を歩み、スチュアート・コープランドがアフリカンな作品をリリースした後、サマーズがリリースした本作は思いっきり中途半端な作品となってしまった。
打ち込みドラムとサマーズ自身のヴォーカルを絡めるという発想がどこから出てきたのか判らないが、ターゲット層が全くみえない作品になってしまっている。
この辺り、周りに流されてしまう人の良さによるものかもしれない。
(追加:2017年8月10日)
...Nothing Like The Sun : Sting
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Andy Summers - Guitar on "Lazarus Heart" and "Be Still My Beating Heart"
スティングが、ライヴ・アルバムを挟んで発表した2枚目のソロ・アルバム。
冒頭2曲でサマーズがゲスト参加しているが、ポリスの再結成に繋がる可能性で盛り上がった可能性は一切無かったと記憶している。
ポリスっぽさが好きだったファンにしてみれば、スティングのライヴ・アルバムで披露されたポリスの楽曲のシャレオツなアレンジで、そもそも期待していなかった再結成の可能性が無くなったことを再確認したはずである。
一方 『 Synchronicity 』
の大ヒットからそのままスティングのソロを購入した層にしてみると、ポリスであるという必要性は元々無かったはずである。
サマーズのギターは、驚く程目立たない。 スティングのソロに参加しなければならない程サマーズがお金に窮していたとは思えず、本作品への参加意義はあまり感じられない。
(追加:2017年8月10日)
1988
Mysterious Barricades : Andy Summers
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Andy Summers - Electric / Acoustic Guitars
David Hentschel - Keyboards
アンディ・サマーズが、プライベート・ミュージックと契約してリリースした作品。
プライベート・ミュージックからのリリースということをサマーズがどれだけ意識したのかわからないが、正にニューエイジ・ミュージックといった作品。
薄く拡がったシンセサイザーの上を、過度にディレイがかかったサマーズのギターが被さっている。 ただそれだけである。
個人的にはサマーズの意に反して制作された作品だと思いたい。 ポリス時代を通じてサマーズが極めた
「エフェクターを駆使して音色を空間的に配置した」ギター が、こんな形に曲解されてリリースされてしまったのが残念でならない。
(追加:2017年10月25日)
1989
The Golden Wire : Andy Summers
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Andy Summers : Electric And Acoustic Guitars, Banjo
アンディ・サマーズのプライベート・ミュージックから2作品目となるソロ・アルバム。
前作 『
Mysterious Barricades 』
でのデヴィッド・ヘンツェルとのデュオ路線は修正されており、良い意味で普通のインスト作品となっている。
リズム隊が加わったことで曲にメリハリが出ている上、キーボードも明確なメロディを奏でたり、木管楽器が参加したことで、サマーズのギターもソロを中心としたものになっている。
ポリス解散直後のリハビリとして本作がリリースされ、「次作こそはサマーズならではのソロを」との期待が高まった所に、それに応えた作品をリリースしていたら、サマーズの音楽業界での立ち位置も大きく変わっていたと思う。
ただそうならなかったのは、何よりもサマーズがそれを望んでいなかったからに違いない。
(追加:2017年10月25日)
1990
Charming Snakes : Andy Summers
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Andy Summers : Guitars, Slide Guitar, Banjo
ゲストの豪華さと多様さが最も富んでいるアンディ・サマーズのソロ・アルバム。
タイトル曲にスティングが参加している他、ビル・エヴァンス(サックの方)、ブライアン・オーガー、チャド・ワッカーマン、ハービー・ハンコックといったメンバーから想定される通り、良質なフュージョン・アルバムとなっている。
個人的には各楽器がソロを回すのではなく、各楽器が有機的に絡まって一つの固まりのような音を出すのを期待したいのだが、流石にこのメンバーでそれを期待してはいけないのかもしれない。
(追加:2017年10月25日)
1991
World Gone Strange : Andy Summers
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Andy Summers : Guitar
Tony Levin : Bass
Mitchel Forman : Keyboards
Chad Wackerman : Drums
アンディ・サマーズのプライベート・ミュージックのラスト・アルバム。
毎回異なる傾向の作品を出しているというか、方向性を模索しているのかわからないが、今回の作品は固定メンバーによるフュージョンである。
チャド・ワッカーマンとトニー・レヴィンという豪華でテクニカルなリズム隊がいること、そして前作と異なりソリストが一人になったことで、サマーズのギターが前面に出まくった作品となっている。
サマーズのギターも、そのフレーズや音色の巧みさ以上に早弾きが強調されていたりして、アラン・ホールズワースを彷彿させる楽曲もあったりする。
個人的にはプライベート・ミュージック契約期のサマーズのベストの作品である。
ただ、ポリス時代の目立たっていないようで目立っていたギターの方が、本作での目立っている通りに目立っているギターよりも好みである。
(2017年10月25日)
1993
Invisible Threads : Andy Summers & John Etheridge
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Andy and John play acoustic guitars, 12-string guitars and acoustic bass.
アンディ・サマーズとジョン・エサリッジがアコースティック・ギターだけで制作した作品。
元ソフト・マシーンという共通点があるとはいえ活動時期が被っていたわけでもなく、どんな経緯で本作制作に至ったのかは判らない。
二人のギター・カッティングが分厚く迫ってきたり、二人のソロが絡んできたりと最初はワクワクしながら聴けるのだが、やはりアコースティック縛りが単調さを招き、後半は飽きてくる。
このパターンはフリップとのデュオでのギター・シンセサイザー縛りと同じで、作品としての完成度を高めることより、演奏を極めたいというサマーズの資質がよく現れている。
(追加:2019年11月25日)
1995
Synaesthesia : Andy Summers
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Andy Summers : Guitar, Piano on 'Synaesthesia',
Acoustic Bass on 'Umbrellas Over Java'
Ginger Baker : Drums ( except on 'Monk Hangs Ten' )
Greg Bisnette : Drums on 'Monk Hangs Ten' and overdubs on 'Cubano Rebop'
Jerry Watts : Bass
Mitchel Forman: Keyboards
The Trouserfly String Quartet on 'Meshes of the Afternoon' and
'Umbrellas Over Java'
アンディ・サマーズが、プライベート・ミュージックを離れた後に初めてリリースしたソロ・アルバム。
バラエティに富んだロックよりのインスト・アルバムである。ギター・オーケストレーションが前面に出た曲があるかと思えば、中近東のフレーズが出たり、変拍子の複雑なジャズもあるかと思えば、メイン楽器がサマーズのピアノの曲があったりする。
これがほぼ固定メンバーで演奏しているのが驚きで、多分その辺りがバラエティには富んでいるものの雑多感が無い不思議な統一感を生んでいるのだと思う。
個人的には、何故かジンジャー・ベイカーが唯一参加していない ” Monk Hangs Ten ”
で、以降サマーズが取り上げていくモンクの名前をタイトルに採用しておきながら、ギターのリフとソロがスリリングに絡む演奏が好みである。
(追加:2019年4月25日)
1997
The Last Dance Of Mr.X : Andy Summers
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Musicians:
Andy Summers : Guitar
Tony Levin : Bass
Gregg Bissonette : Drums
and also on "Big Thing"
Jerry Watts : Bass
Bernie Dresel : Drums
アンディ・サマーズがギター・トリオ編成で望んだソロ・アルバム。
曲のタイプは大きく2つに分かれ、サマーズのギターのエフェクトが凄くてキーボード・レスを意識させないフュージョンと、次作で取り上げるモンクの曲も含めたジャズ路線で占められている。
そして、前作と同じく固定メンバーでタイプの異なる演奏が収録されており、そこに見事なまでにトニー・レヴィンが貢献しているというオマケまで、本作品にはついてきている。
ただやはり、前作と異なり極端に2タイプに曲が分かれているために、楽曲の流れには不自然さが残っている。
そうまでしてサマーズが本作品でジャズ路線を試みたのは、既に次作の構想が彼の中にあり、その完成度を高めるために本作を習作として位置づけていたのかもしれない。
(追加:2019年4月25日)
Strings Of Desire : Andy Summers / Victor Biglione
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Solos -
*Andy Summers, #Victor Biglione
Guitars : Steel Nylon, &
12strings
アルゼンチン出身でブラジルで活動しているジャズ系ギターリスト、ヴィクター・ビッグリオーネとのデュオ・アルバム。
この時期サマーズは、プライベート・ミュージックから離れジャズ路線を突き詰めていた頃で、それ以外のこと、をチャレンジしてみたかったのかもしれない。
ただブラジル、と言われてもサンバとボサノバしか思いつかない私のような門外漢が語れる領域ではなく、良さも悪さも全く判らない。 どうせだったら、それ以外のことをロック路線に求めて欲しかったと思う。
多分そんなことはサマーズにとってどうでもよく、ギターリストとしての求道心が最優先で活動していたのだろう。
(追加:2019年11月25日)
1999
Green Chimneys The Music of Thelonious Monk : Andy Summers
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Andy Summers - Guitar, Banjo, Dobro
Dave Carpenter - Upright & Electric bases
Peter Erskine - Drums
Sting - Vocal on 'Round Midnight
Hank Roberts - Cello
Joey de Francesco - Hammond B-3 Organ
Steve Tavaglione - Soprano & Tenor Saxophones, Clarinet
Walt Fowler - Trumpet
Bernie Dresel - Drums on "Boo Boo's Birthday" and "Rhythmaning"
アンディ・サマーズのジャズ路線を徹底した作品で、ジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンクの楽曲で全編構成されている。
経済的問題が全く無いサマーズは、セールスということを意識することなくアルバムが制作できるはずで、10代のころからの憧れであったモンクの楽曲でジャズ・アルバムを作成したことに、多分誰も文句(シャレ)を言ってはいけない。
ただ個人的には、既にポリス時代の鋭さは無くなっているスティングが朗々と謳い上げる必要だけは無かったと思う。 お金のために様々な活動を通じて人脈を拡げる必要が無かった弊害が、こんな所に出てしまったような気がする。
(追加:2019年4月25日)
2000
Peggy's Blue Skylight : Andy Summers
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ジャズ路線を直走るアンディ・サマーズが、セロニアス・モンクに続いてチャールズ・ミンガスの楽曲を取り上げた作品。
ピアニストのモンクに続いて今回のミンガスもベーシストで、好きなミュージシャンのカヴァーをしている体で、実はギターリストの楽曲をそのままカヴァーはしないぞとのこだわりが絶対にあると思われる。
ただやはり迷いはある様で、前作でのスティングに続いて今作ではデボラ・ハリーが” Weird Nightmare ”
でヴォーカルをとっている。
曲調に合わせてなのか、そもそも自声が低くなったのか、デボラ・ハリーだと言われなければ判らないのだが、この辺りの微妙に古い人選が、サマーズの活動の限界だったように思える。
(追加:2019年4月25日)
2012
Fundamental : Andy Summers & Fernanda Takai
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Andy Summers - guitarra e teclados
Fernanda Takai
- vocais
Abraham Laboriel - baixo
Marcos Suzano - percussão
アンディ・サマーズがブラジルのヴォーカリスト、フェルナンダ・タカイとコラボレーションした作品。
お洒落な雰囲気を醸し出すジャケット、そして気持ちよさを前面にだした楽曲。
この作品をアナログ化して20年前にリリースされたジャパニーズ・シティ・ポップと偽って渋谷の最先端の店の壁に並べたら、5,000円オーヴァーの値が付くに違いない。
しかし騙されてはいけない。
腐れきったお洒落な曲もあるが、”
Chuva no Oceano
” での歪みきったギターでのバッキングや、”
Falling From The Blue
” や ”
I Don't Love You
” での来るぞ来るそ来たーといった感じの流暢なギター・ソロ等、お洒落な外面をしながらサマーズのロック魂が爆発した作品である。
本作品の2年後、サマーズはサーカ・ゼロとして格好良すぎるロック・アルバム 『 Circus Hero 』
をリリースするのだが、既にこの頃からロック魂を蓄積していたのかもしれない。
(追加:2019年11月25日)
2014
Circus Hero : Circa Zero
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Andy Summers - Guitar
Rob Giles - Bass Drums Vocals
ズート・マニーズ・ビック・ロール・バンドのライヴ盤でアルバム・デビューした後10年近く売れないセッション活動を続け、ポリスで商業的大ヒットした後30年近く売れないソロ活動を行ったアンディ・サマーズによるユニット、サーカ・ゼロの作品。
ひたすら格好良い、古き良き時代の洋楽である。
優れたメロディ、ワクワクする曲展開、スリリングなギター・ソロと完璧な内容で、ポリス解散直後にサマーズが本作をリリースしていたら、スティング相当のマーケットでの成功もあったかもしれない。
金銭的困窮を気にする必要がない程の成功をサマーズは手にしていただけに、本作品を確実に売れる時代ではなく、マーケットで黙殺される時代にリリースし、且つ積極的なプロモーションを行っていないのは確信犯的行為に違いない。
(追加:2016年10月25日)