1978
Adolescent Sex : JAPAN
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David Sylvian Lead Vocals + Second Guitar
Mick Karn Bass Guitars + Vocals
Steve Jansen Drums, Vocals + Percussion
Rob Dean Lead Guitar + Vocals
Richard Barbieri Keyboards + Vocals
JAPAN のファースト・アルバム。
今更デビュー当時の洋楽アイドル扱いされたことについて言及するのは気が引けるが、そのルックスからはおよそ想像できない不思議な音である。
ファンク+New Wave
といった奇妙なノリに、目立たないけどハードなギターが絡んだり、イントロがプログレみたいな派手な曲があったり、とシルヴィアンの陰鬱なヴォーカルを除くとおよそ一貫性がない。 唯一の制限事項は当人達の演奏技量で、それ以外はやりたいことをそのままやった結果なのだろう。
後期の路線に移行するまで、英国で黙殺されていたのは致し方ないと思うが、混沌とした本作品が個人的には好きで、この路線で進んだとしても面白かったと思う。
(追加:2007年7月15日)
Obscure Alternatives : JAPAN
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David Sylvian - Vocals, Guitar
Mick Karn - Bass, Saxophone, Vocals
Steve Jansen - Drums, Percussion, Vocals
Rob Dean - Guitars, Vocals
Richard Barbieri - Synthesizers, Keyboards
JAPAN のセカンド・アルバム。
やりたいことと、やれることを全部してみました、って感じのファースト・アルバムに比べて、ちょと分が悪い。 曲に統一感がなく、混沌としたところはそのままなのだが、小さくまとまってしまっているのが残念。
この時期のJapanを貶そうすることは容易いのかもしれないが、アイドル風なルックスだけに起因することはやはり納得できない。 個人的にも本作品はシルヴィアンの作品の中で聴く機会が少ない作品であるが、それは単に作品としての面白さが無いからに過ぎない。 1ミュージシャンの長いキャリアからしてみればそんな作品があってもおかしくないわけで、それを徒に「売り出し方」に結びつける必要は無いと思う。
まぁ確かに、凡庸な作品なんだけどね。
(追加:2008年12月25日)
1979
Quiet Life : JAPAN
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David Sylvian ; Vocals, Occasional guitar
Mick Karn ; Bass, Saxophones
Steve Jansen ; Drums, Percussion
Richard Barbieri ; Synthesisers
Rob Dean ; Guitars
JAPAN の過渡期の作品。
後々もライヴで演奏される ” Quiet Life ” のような作品もあれば、1st や
2nd にもあった歪なファンク + New Wave
もあれば、あまり大きい声では言えないが捨て曲もある。 そんな訳で、ヴィジュアル面を除けば同じバンドの楽曲が収録されているとは思えないほど、多様性、ごちゃ混ぜ感が強い作品である。
バンドの成長、熟成のスピードが余りにも速すぎたことが招いた残念な結果かもしれないが、過渡期をも許容してしまう程の日本での圧倒的な人気があったからこそ、後の
『 Tin Drum 』 に繋げることができたとも言える。 この辺り、日本のファンとして誇りに思って良いことだと思う。
(追加:2012年2月25日)
1980
Gentlemen Take Polaroids : JAPAN
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Virgin に移籍した JAPAN の4枚目の作品。
個人的には初期の混沌とした作品も嫌いではないが、本作品以降の80年代
New Wave ど真ん中の作品に対する愛着は深い。
最高傑作 『 Tin Drum 』
と比べてしまうとアルバム全体の印象は薄いが、” Gentlemen Take Polaroids ” や ”
Nightporter ”
等極上の楽曲も収められおり、侮れない作品だと思う。
今にして思えば解散に向けた序曲のような作品なのだが、解散などということを意識していなかった当時は、唯一無二の奇妙な楽曲群がひたすら格好良いと思って愛聴していた。
(追加:2008年8月10日)
1981
Live In London 1981 : JAPAN
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『 Gentlemen Take Polaroids 』 リリース後の1981年2月7日のライヴで、BBC で放送された音源。 作品化にあたっての権利関係は怪しいところもあるのだが、
JAPAN の有り余る才能がその活動に昇華されつつあるところを見事に捉えられている。
『 Tin Drum 』 以降の土屋昌巳を迎えての完成度の高いライヴも美味しいのだが、『 Quiet Life 』 以前の混沌としたところも混在しているこの時期のライヴも卑屈な程に格好良い。
なのでボーナス・トラックとして収録されている1980年3月段階での日本でのライヴは、嬉しいけどこの流れからは違和感が残ってしまう。
(追加:2021年11月10日)
The Singles : JAPAN
JAPAN の 『 Quiet Life 』 期までのシングルを集めたピクチャー・レーベル & ピクチャー・レーベルが見えるジャケット
& カラー・レコード & サイン入りプロマイド付きの国内制作盤。
『 Gentlemen Take Polaroids 』 発売後のタイミングでこの選曲、このフォーマットでリリースされた理由を邪推すると、同作での作風の変化で既存ファンが離れてしまうことをレコード会社側が恐れたのかもしれない。
ただ周知の通り JAPAN は既存ファンをそのまま抱えたまま同作、そして 『 Tin Drum 』 でファン層を更に拡大しており、本作リリースの理由が私の邪推通りだったとしても無駄な心配だったということになる。
ところで、ピクチャー・レーベルが見えるように表ジャケットが同サイズでくり抜かれているこのフォーマット、同タイミングでギラン、フライング・リザーズ等の作品がリリースされ、その後も
Novela の作品で採用されたりしている。 多分他にもリリースされていると思うのだが、ピクチャー・レーベルが見やすくするために使われている透明のレコード内袋の劣化が激しい。
この透明のレコード内袋だけ、どこかで販売していないだろうか。
(追加:2021年11月10日)
Tin Drum : JAPAN
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David Sylvian : Keyboards, Keyboard Programming, Tapes, Guitar, Vocals.
Steve Jansen : Drums, Percussion, Electronic & Keyboard Percussion.
Richard Barbieri : Keyboards, Keyboard Programming, Tapes.
Mick Karn : Fretless Bass, African Flute, Dida.
JAPAN は外せない。 80年代前半までの New Wave
全盛期に多感な(笑)10代を過ごした者にとって、Japan
を外すことは絶対にできない。 CCCDには反対だが、昨年の JAPAN ~
デヴィッド・シルヴィアンの再発は購入してしまった。 『 UK NEW
WAVE Renaissance 2004 』
というキャンペーンに違和感は覚えるが、雑誌等で JAPAN
が取り上げられる機会が増えるのは素直に嬉しい。
本作品は、JAPAN の最高傑作であるとともに、New Wave
云々をも越えた歴史的名盤だと思う。
踊りには適さない異様なリズム、ノイズすれすれのシンセサイザー、歪みきったギター、そして未来への希望の欠片も感じられないヴォーカル。 これらのアイテムが見事なまでに組み合わさり、凄まじいまでのインパクトを与えてくれる。
商業的にも大成功をおさめただけに、ラスト・アルバムとなってしまったことが残念でならない。
(追加:2004年4月10日)
1982
Nightporter : JAPAN
英国12inchの 『 Nightporter 』 と同じ美麗ジャケットを採用した、国内オリジナル選曲をした作品。
JAPAN の編集盤の中でも屈指の内容である。 A面の選曲も良いが、英国4曲入りシングル ” Gentlemen Taka Polaroids ” 収録曲と ” The Art Of Parties ” 収録曲を集めたB面も貴重価値がある。 そしてA,B面を通しての統一感があるのも凄い。
制作側に愛があると、こんなにも素晴らしい編集盤ができるという見本のような作品である。
(追加:2021年11月10日)
Oil On Canvas : JAPAN
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リリースは1983年
David Sylvian ・ Vocals, Keyboards
Steve Jansen ・ Drums, Marimba
Mick Karn ・ Bass, Clarinet, Saxophone, Vocal
Richard Barbieri ・ Keyboards
Masami Tsuchiya ・ Guitar, Keyboards
1982年の秋から冬にかけての JAPAN を忘れることはできない。
前年末に大傑作アルバム 『 Tin Drum 』 をリリースした後、” Ghosts
”
の大ヒットがあったにも拘わらず解散説が流れていたジャパンが、一風堂の土屋昌巳をギターに迎えヨーロッパからツアーを始めた時の興奮を今でも鮮明に思い出すことができる。 折しも一風堂の
” すみれSeptember Love ”
が大ヒットしていたこともあり、TV番組のザ・ベストテンの中継でリハ中の追跡した結果、画面には JAPAN の面々の姿まで....
本作品は、そのツアーを収録したライヴ・アルバム。 ただでさえ収録時間が少ない上に、3曲も没テイクのインストを収録しているのは残念だが、生真面目に楽曲を演奏するジャパンのライヴを忠実に再現している。 暗く地味な演奏はステージ栄えこそしないと思うが、演奏はひたすら格好良い。
(追加:2002年10月10日)
Live From The Budokan - Tokyo FM, 1982 : JAPAN
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リリースは2020年
Recorded 8/12/82 and broadcast on Tokyo FM as part of Ryuichi
Sakamoto's SOUND STREET RADIO SHOW.
Towards the end of the set JAPAN
are joined by him and the rest of Yellow Magic Orchestra
2020年に突如リリースされた、JAPANの解散前のライヴを収録した作品。
同時期のライヴとしては 『 Oil On Canvas
』 があるが、密室感が強い編集をしている同作より、ライヴ空間をそのままパッケージされた本作の方が、個人的には好みである。
YMOファミリーの参加でお祭りっぽくなっているところもあるが、それらも含めて提示されている点も気に入っている。
ところで、である。
本作にも収録されている 「デヴィッドー!」、「ミックー!」、「教授ー!」といった歓声を上げている彼女達は、今どうしているのだろうか。
アイドル然としたアイドルではない JAPAN に、正統派ポップスとはかけ離れた極北の New Wave を奏でた JAPAN
に惹かれた彼女達のことを、私は素晴らしいと思う。 そんな彼女達が、日常的に JAPAN を聴くことは無くなっていても、生活の中のちょっとした所に
JAPAN に惹かれてしまったセンスを表出させていたりしたら嬉しい。
(追加:2020年9月25日)
1991
Rain Tree Crow : Rain Tree Crow
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JAPAN
解散時のメンバーによる作品。
シルヴィアン以外の3人が Japan
の実質再編を主張する一方、シルヴィアンがそれを否定、とその位置付け方を含めリリース前から仲違いをしてしまい、プロモーション用のインタビューで相手方を非難してしまったという、緊張感溢れる作品。
楽曲は全てスタジオでのインプロをベースに構築されたとのこと。 こうした試みはややもすると冗長で自己満足に陥りやすいのだが、深みがあり説得力溢れる作品になっている。 この辺り、メンバー間の緊張感がプラスに働いたのではないかと想像してしまう。
本来であれば楽曲だけを純粋に聴き込むべきだと思うが、そのバックグラウンドを含めをトータルに評価すべき作品であり、また
『 Tin Drum 』
とは趣が全くことなるが、同じ位に重要な作品である。
(追加:2010年5月10日)
Blackwater : Rain Tree Crow
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音楽におけるケミストリーが、人間関係のケミストリーだけでは発生しないことを証明したレイン・トゥリー・クロウ。
そこからシングル・カットされた本作作品には、アルバム未収録の ” I Drink To
Forget ” が含まれている。 2分弱のインストで、余り印象は残らない。
(追加:2015年4月10日)
2006
The Very Best Of : JAPAN
Promotional Videos :
Oil On Canvas - Live From Hammersmith Odeon, 1983 :
|
JAPAN
の映像作品。 といっても目新しいものはなく、プロモーション・ビデオと
『 Oil On Cnavas 』 をセットにしたもの。
MTVが全盛になるちょっと前に活動を停止しているために、ヴィジュアル面で秀でたバンドであったにも拘わらず、プロモーション・ビデオは凝った造りにはなっていない。 それはさておき、マスター・テープについてはもっと状態が良いものが無かったのだろうか。 特に
” Life In Tokyo ”
などは観ていると目が痛くなってくる。
一方の 『 Oil On Canvas 』
では、同名の音源作品と同じく、ひたすら格好良い演奏を堪能することができる。 比較的淡々とした演奏をしてきたメンバーが、最後の
” The Art Of Parties ”
でロック的な盛り上げ方をするところに感動する。
個人的には、80年代当時マイケル・ジャクソンのムーン・ウォーク(書いていて恥ずかしい..)より衝撃を受けた、ミック・カーンの横歩きを再確認できたのが嬉しかった。
(追加:2006年9月25日)
2019
Quiet Life / Life In Tokyo : JAPAN
2019年4月13日の Record Store Day 2019 で発売された作品で、33 r.p.m. の真っ赤な10インチ・ディスク。
勿論、ここに新しいテイクは無い。 アルバムに収録されているヴァージョンそのままの収録ではないが、ある程度熱心な JAPAN
のファンであれば、オリジナルではなくても様々なコンピレーションから本作品収録曲を既に耳にしているだろう。
それがどうした。
ブツとして本作品を保有したいと思った人にはこれほどチャーミングな商品はないと思う。
それが故に、転売目的と思われる人が開店前からお店に並び、実際ネットのオークションに高額で出品されるようになってしまった Record Store
Day 限定商品の在り方、販売方法については再考が必要な段階に入った思う。
(追加:2018年5月10日)
2021
Quiet Life : JAPAN
VINYL 1. Quiet Life / 2. Fall In Love With Me / 3. Despair / 4. In-Vogue CD1 1. Quiet Life / 2. Fall In Love With Me / 3. Despair / 4. In-Vogue / 5. Halloween / 6. All Tomorrow's Parties / 7. Alien / 8. The Other Side Of Life CD2 A Quiet Life : Alternative Mixes & Rarities
CD3 Live At Budokan 27/03/1980
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2021年にリリースされた 『 Quiet Life 』 のBOX。
リマスターしたオリジナルを LP と CD
にしただけではなく、武道館での発掘ライヴとシングルを中心にした別ヴァージョンを収録し、更には豪華ブックレットの添付という素晴らしい内容。
尺の違いも入れるとを無限大にリリースされたであろう ” Life In Tokyo ”
の全ヴァージョン収録はさすがに叶わなかったが、企画モノぽかった同曲が 『 Quiet Life 』 だけではなくその後の JAPAN
の作風に大きく影響を与えたことを改めて認識することができた。
通常こうした作品のリリースにあたってはメンバーが集結してプロモーションするだろうが、そうならないところがまた JAPAN らしい。
迂闊にそんな企画をしてしまったら、計画段階でのメンバー関係のいざこざからリリース自体も中止などという可能性が充分あったと思う。
本作品の成功から邪な発想などせず、淡々と 『 Gentlemen Take Polaroids 』、そして 『 Tin Drum 』
のBOX発売まで漕ぎ着けてほしい。
(追加:2021年4月25日)