1997
Live At The Isle Of Wight Festival : Emerson, Lake & Palmer
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Recorded live at the Isle of Wight Music Festival on August 29,1970
Keith Emerson : organ, piano & synthesizer
Greg Lake : bass, acoustic guitar & vocals
Carl Palmer : drums & percussion
Produced by Emerson, Lake and Palmer
ELP がメジャーに躍り出た瞬間をとらえた、ライヴ・アルバム。
ファースト・アルバムをリリースする前の作品だが、後の代表作がほとんど収録されている。 デビュー前にして完成度が高いバンドであったことが確認できる一方、デビュー前から解散するまで全くフォーマットが変わらなかったことも、あらためてわかる。
本作品からは、当時のレイクの「売れてやる!」という野心がポジティブに感じられる。 考えられるはったりを全てかましきったような曲と演奏が、そのまま観衆に受け入れられたことが容易に想像できる。
同じワイト島のフェスティバルでテリー・リードのバックで演奏しているマイケル・ジャイルズと比べると、ミュージシャンとして成功するかどうかの一番のポイントが野心であることを、あらためて思い知らされる。
(追加:2004年8月10日)
Emerson, Lake & Palmer : Emerson, Lake & Palmer
CD One
CD Two (CD-ROM)
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CD One 1-10 Recorded on 11/12/77 at The Coliseum
Wheeling, WV
CD One 11-14, CD Two 1 Recorded on 3/7/74 at the Civic Center Tulsa,
Oklahoma
キング・ビスケット・フラワー・アワーで放送されたマテリアルのCD化作品。
今でこそブートレグ・シリーズでライヴ音源が乱発されているEL&Pだが、リリースされた当時はそれなりに貴重だった。
後期の音源は、オーケストラを帯同したツアーが赤字で息詰まった後の3人だけの演奏が収録されているが、GX1の音がかなり厳しい。 オーケストラと競演していた時には気にならなかった安っぽい音が、単独だと完全に浮いてしまっている。 大型エレクトーンと揶揄されたのも何となくわかる。
一方の全盛時代音源は、” Karn Evil 9 ”
の完全収録もあり思いっきり楽しめる。
どちらの音源もレイクは特段目立った演奏をしていない。 アコースティック・コーナーもワン・パターンだと思うが、このワン・パターンこそがELPの魅力の一つだと思う。
2世代のライヴが手堅く楽しめる作品だけに、もうちょっと話題になっても良いと思うのだけど。
(追加:2007年1月26日)
Live In Poland : Emerson, Lake & Palmer
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Band :
Keith Emerson Keyboards
Greg Lake
Guitars & Vocals
Carl Palmer Drums
This show was recorded on 22nd June 1997 in Spodek, Katowice, Poland as first ELP's concert in Poland ever.
1997年のポーランドでのライヴを収録した作品。
良くも悪くも、ELPの様式美から逸脱した所がある内容である。
何よりもカール・パーマーのドラムのもっさり感が高まっているのだが、これは多分、コージー・パウエルが叩いた ” Touch And Go ”
を演ることが原因だと思われる。 重さと強さとタイトさがあるパウエルの演奏から、重さだけが全曲に採用されてしまった結果、パーマー元来の独特のリズム・キープ能力(笑)と相まって、独自の世界が構築されてしまっている。
ELPの新機軸ではあるかもしれないが、やはり私としては ELP は様式の中に収まっている所に良さがあると思う。
(追加:2020年8月10日)
1998
Then & Now : Emerson Lake & Palmer
Then - Cal Jam '74
& Now Tour '97/98
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Keith Emerson - Keyboards and The Worlds Most Dangerous
Synthesizers
Greg Lake - Vocals, Acoustic and Electric Guitars, Basses
Carl Palmer - Drums and Percussion
ELPのライヴ音源集。
リリースされた時のウリは、カリフォルニア・ジャムでのライヴを収録、再結成ELPでの ” 21st Century Schizoid Man ”
の収録、ギーガーによるジャケットの3点であった。 その後カリフォルニア・ジャムのライヴについては、DVDの 『
Beyond The Beginning 』 で映像が確認できるようになった今では、そのありがたみは無くなっているが。
後にELPは、海賊盤をほとんど音質改善しないままBOXで販売する、という某クリムゾンよりもファンを悩ませる商法にでるわけだが、そうなる前の良心的な作品と位置づけることができる。 これで、1枚目だけは再結成前の音源にしてくれたら、もっと良かったと思う。
(追加:2007年11月25日)
2001
The Original Bootleg Series From The Manticore Vaults Vol One : Emerson Lake & Palmer
Disc 1 'Stomping Encore' Gaelic Park, NY 1st September 1971 ( 2-CD Set )
Disc 2 Louisville Town Hall, KT 21st April 1972 ( 2-CD Set )
Disc 3 Long Beach Arena, Long Beach, CA 28th July 1972 ( 2-CD Set )
Disc 4 Performing Arts Center, Saratoga Springs, NY, CA ;13th August 1972 ( 1-CD )
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ELP の発掘音源集 The Original Bootleg Series From The Manticore Vaults の1作品目。
発掘音源集というより海賊盤の公式化なのだが、音源の改善は施されていないように思える。 またクレジットもどこまで正確なのか怪しい所があるが、クレジットそのものを正として話を進めていく。
『 'Stomping Encore' Gaelic Park, NY 1st September 1971 』 は、このシリーズの中でもっと古い1971年の音源である。 CD 2枚で80分強という残念なヴォリュームで、演奏されていたであろう ” Lucky Man ” や ” Pictures At An Exhibition ” も聴きたかった。 また 『 Trilogy 』 発表前の段階で ” Hoedown ” が演奏されているのだが、ピッチが安定していない。 そうじて遅い上に途中で狂うため名曲の初期ヴァージョンを堪能することができない。
『 Louisville Town Hall, KT 21st April 1972 』 は、『 Trilogy 』 リリース前で、Mar y Sol Pop Festival と 来日公演の間のライヴを収録している。 ” Tarkus ” の ” The Battlefield ” には未だ ” Epitaph ” が挿入されていないのだが、『 Welcome Back My Friends To The Show That Never Ends - Ladies and Gentlemen 』 を聴き過ぎてしまっているためか違和感を感じてしまう。 多分同様な感想を持たれる方が殆どだと思うが。
『 Long Beach Arena, Long Beach, CA 28th July 1972 』 は、『 Trilogy 』 リリース後のライヴを収録している。 ” Hoedown ” はオープニングにしてほしかったが、それを除けば ” Karn Evil 9 ” が演奏されるようになる前のライヴとして良くまとまっている。 ” Epitaph ” が挿入された ” The Battle Field ” も座りが良いし、その後の「ほらほら、シンセサイザーってこんな面白い音でるんだよ」と言わんばかりの演奏、” Grand Finale ( Rondo ) ” でのおきまりのオルガンも格好良い。
『 Performing Arts Center, Saratoga Springs, NY, CA ;13th August 1972 』 は、CD1枚の作品。 海賊録音/編集した側からすると、『 Trilogy 』 リリース後のライヴということを踏まえ同作の楽曲を中心にコンパクトに編集したセンスに酔いしれていたのかもしれないが、21世紀に聴く立場からすると ” Rondo ” を入れろよということになる。 演奏中だけでなく曲間でもシンセでビヨビヨビヨーンと楽しそうにエマーソンが音を出しているだけに、” Rondo ” での遊びが聴きたかった。
(追加:2022年10月25日)
The Original Bootleg Series From The Manticore Vaults Vol Two : Emerson Lake & Palmer
Disc 1 Hammersmith Odeon, London 26th November 1972 ( 2-CD Set )
Disc 2 Henry Lewit Arena, Witchita, KA 26th March 1974 ( 2-CD Set )
Disc 3 Rich Stadium, Buffalo, NY 26th July 1974 ( 2-CD Set )
Disc 4 Civic Centre, New Haven, CT 30th November 1977 ( 2-CD Set )
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ELP の発掘音源集 The Original Bootleg Series From The Manticore Vaults の2作品目。
1作品目と同じく表記方法が独特で、「Disc n」 の
「Disc」 は1公演のことを指す。 1作品目は4公演7CDだったのだが、本作品は4公演8CDで1公演全てが2CDという構成である。
『 Hammersmith Odeon, London 26th November 1972 』 は、『 Brain Salad Surgery 』 が未だ構想段階のライヴを収録している。 従って未だ同作収録楽興は収録されておらず、内容としては Mar Y Sol Festival 来日公演と同じである。 できれば 『 Brain Salad Surgery 』 レコーディング前の同作収録曲が聴きたかった。
『 Henry Lewit Arena, Witchita, KA 26th March 1974 』 は、音質を悪くした 『 Welcome Back My Friends ~ 』 といったところ。 セット構成はほぼ同じなのだが、” Tarukus ” のラストが徹底的に引き伸ばされているのが大きな違いである。 シンセサイザーだよビヨヨヨヨーンといった演奏が中心で冗長的ではあるが聴いていて楽しい。
『 Rich Stadium, Buffalo, NY 26th July 1974 』 は、『 Henry Lewit Arena, Witchita, KA 26th March 1974 』 と同じく音質を悪くした 『 Welcome Back My Friends ~ 』 にボートラとして ” Pictures At An Exhibition ” を追加したような作品。 ” Tarkus ” の後半ば徹底的に引き延ばされているのだが、お互いのインプロに触発されて発展していったというより手癖足癖による演奏の応酬といった感じがするのがELPっぽい。
『 Civic Centre, New Haven, CT 30th November 1977 』 は、『 Works Volume 2 』 のリリースに合わせて行われたツアーでのライヴを収録した作品。
『 Works 』 に合わせて行われたツアーが、オーケストラ有り→赤字になってオーケストラ無し→マジソン・スクエア・ガーデン3公演で再び有り→無し→モントリオール1公演のみ有り、と変遷を重ねたのに対し、終始オーケストラ無しで行われたこの時期のライヴは安定している一方総じてレベルは高くない。 本作品も然りである。
(追加:2023年8月10日)
2003
The Sprocket Sessions An Official Bootleg : Emerson, Lake & Powell
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recorded live at the Sprocket Studios during rehearsals for the 1986 tour
EL & Powell のリハーサル音源。
とても緩い作品。 演奏スピードが遅めなのは、リハーサルということで意図的なものなのだろうが、それを差し引いたとしても緩い演奏である。 EL &
Powell
の魅力の一つは、コージー・パウエルによる破天荒な演奏に触発されたエマーソンの演奏だと思うのだが、本作品ではそれを堪能することができない。
そして、もうひとつの魅力であるレイクが我関せずと朗々と唄いあげるバラードも、本作品では中途半端である。 静と動のバランスの妙、などと言うのは余りにも安易だが、激しい演奏とバラードをしっかりと味わいたいと思う。
(追加:2012年4月10日)
2005
Beyond The Beginning : Emerson Lake & Palmer
Before The Beginning
ELP In Pictures
Bonus Footage
California Jam Festival
Beyond The Beginning |
ELP の発掘映像集。
先ず、バラエティの富んだ映像群に圧倒される。 日本公演、キーボードとの格闘、空中ピアノ回転、オーケストラとの共演等々、語り継がれてきた演奏を確認することができるのが嬉しい。
また、演奏も勿論だが個人的に興味深かったのは、1973年のリハーサル風景。 お互いの演奏に干渉し、感情むき出しの状態で確認しあう姿に圧倒される。 雑誌等で「ミキシング段階で3人が各々の演奏を大きくしようとした」といった記事を読んだことがあるが、そんな話以上にバンド内の鬩ぎ合いが生々しく伝わってくる。
(追加:2005年11月10日)
2010
A Time And A Place : Emerson, Lake & Palmer
The Early '70s
The Late '70s
The '90s
The Boot's For You - A Fan's View -
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CD4枚組のライヴ音源集。 ジャケットは購入するのを躊躇わす程酷いものだが、クレジットに 「 Project Assistance :
Keith Emerson and Tony Ortiz 」 とあり、公式の作品と思われる。
ワイト島のライヴ音源等、既にリリースされているライヴ・アルバムから被っている曲もあるが、The Manticore Vaults
シリーズまでは手を出すことができなかった私のようなタイプには、ヴォリューム的にも最適な作品だと思う。
” Tarkus ”
は初期の演奏を収録してほしかった、とか多分言い出したらキリがない程のツッコミ要素があるものの、ライヴ・オムニバスとはよく出来ていると思う。
(追加:2010年9月10日)
High Voltage : Emerson, Lake & Palmer
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25th July 2010
2010年、私にとって残念なことの一つは、10月に予定されていた Emerson & Lake
の来日公演中止であった。 エマーソンの体調不良が原因とのことで致し方ないのだが、人生初のチケット払い戻しと併せ残念な気持ちは未だ変わらない。
その幻の来日公演前の7月、EL&P として行った High Voltage でのライヴを収録したのが本作品である。
全盛期の激しさを期待して本作品を購入した人はいないと思う。 私も期待はしていなかったが、演奏のスローさ、エッジのなさは、想像を超えていた。
パーマー抜きの来日公演中止を残念に思う一方、本作品を素直に楽しむことができない自分がいるわけで、この矛盾を許容することが重要なのだと思う。
本作品を聴いた直後に EL&P としての来日公演が発表されたとしても、私は必ずチケットを購入する。
(追加:2011年5月25日)
Live In Concert : Emerson, Lake & Powell
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Keith Emerson - Keyboards, synths, piano
Greg Lake - Vocals, bass, acoustic and electric guitars
Cozy Powell - Drums and percussion
Recorded live in Lakeland, Florida November, 1986
EL &
Powell のライヴ・アルバム。 日本盤ライナーによれば、クレジットと異なり1986年10月4日の演奏とのこと。
EL & Palmer の代表曲と、EL & Powell
による新曲、コージー・パウエルによるドラム・ソロ、そしてお決まりのアンコールでのメドレー、聴く側のツボを120%を押さえた見事な作品である。
単独だと下品さだけが際立つデジタル・シンセの音色も、パウエルのドカドカ・ドラムと組合わさると新鮮で、80年代をプログレがどのように生き抜くかを示している。
そんな中、” From The Beginning ” と ”
Lucky Man ” を朗々と歌い上げるレイクの芸の完成度もまた、天晴れだと思う。
(追加:2010年3月10日)
2011
Live At The Mar Y Sol Festival '72 : Emerson Lake & Palmer
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Keith Emerson - Keyboards
Greg Lake - Bass, Guitars, Vocals
Carl Palmer - Percussion
Recorded Live On April 2, 1972, At The Mar Y Sol Festival, Vega Baja, San Juan, Puerto Rico.
プエルトリコ で行われたフェスティヴァル音源が、単独盤としてリリースされたもの。 何故このタイミングなのかはわからないが、安価で流通されているのが嬉しい。
『 恐怖の頭脳改革 』
リリース前のベスト選曲。 予定調和(褒め言葉)が最善の形で機能していた時期だけに、安心して楽しむことができる好盤である。ライナーにも記載されている通り、高湿度の影響で
Moog の動作が不安定になるところがあるが、それはそれで楽しむことができる。 元々安定した動作が望めない Moog
をそのような環境に持っていけばどうなるかわかるようなものだが、それでもライヴに出てしまうのが、いかにもELPらしい。
平清盛で盛り上がる ” Tarkus ” も全編収録。 『 Welcome Back My Friends~ 』
収録ヴァージョンと異なり、エピタフのフレーズもないだけ、オリジナルに近い。
(追加:2012年1月10日)
2012
Live In California 1974 : Emerson Lake & Palmer
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Keith Emerson : Keyboards
Greg Lake : Bass, Guitars, Vocals
Carl Palmer : Percussion
リッチー・ブラックモアが撮影用のカメラをギターで破壊したことで有名なカリフォルニア・ジャムでの音源。
抜粋盤、映像盤と出し尽くされたライヴであるが、今回もTV放送されたマテリアルが使われている。 変化が無いと言ってしまえばそれまでだが、ことEL&Pとなるとプラスにしか働かない。
ライヴ全編が収録された音質3段階アップの音源が新たに発掘されても、戸惑いしかない。 予定調和を楽しむことこそが EL&P への正しい接し方であるだけに、足し算も引き算もしないままの本作品には、EL&Pを知り尽くした人が絡んでいるとしか思えない。
ディープ・パープルの後、フェスティバルのトリという状況でのグレッグ・レイクのアコースティック・ナンバーはちょっと無理があったと思うが、そうした空気が読めていないところもまた、EL&Pの魅力である。
(追加:2022年2月10日)
Live At Nassau Coliseum '78 : Emerson, Lake & Palmer
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Recorded Live on February 9, 1978, At The Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, New York.
オーケストラ帯同コンサートの予算が行き詰った結果、3人で行ったツアーからの音源。
この時期のオーケストラ無しのライヴとしては、『 Emerson, Lake & Palmer
』 があるが、本作品はCD2枚組で、多分コンサートの全容が収録されているものと思われる。
オーケストラと合わせる必要が無いためか好き勝手に暴走してるところが、逆に面白さを増している。
ただ、音質がそこそこに良いことが逆にGX1のペロンとした音色を際立たせており、その音色の好き嫌いで評価がわかれてしまうと思う。
ただただ、レイクによるバラードはそんなこととは一切関係なく、朗々と展開されている。
(追加:2007年1月25日)
2019
Live In Tokyo : Emerson, Lake & Palmer
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Keith Emerson - Keyboards
Greg Lake - Lead Vocals,
Bass, Guitars
Carl Palmer - Drums, Percussion
Live from the Kourakuen Kyuujou, Tokyo in July 1972.
ELP の初来日コンサートの模様を収録した作品。
この手の作品にありがちな通り、元音源をそのままメディア化しただけのものなので、音質について言及できるレヴェルではない。
内容自体は、エンターテインメントに徹したロック・ショーが見事にパッケージングされている。
予定調和の演奏なので映像まで浮かんでくるような内容なのだが、オルガンの下敷きになったり、上半身裸になりながらのドラム、ギターとベースをとっかえひっかえしながら「コンフュージョン・ウィル・ビー・マイ・エピタフ」などとやられたら、1972年だろうが2020年だろうが盛り上がらないわけがない。
後楽園(と甲子園)という箱が選択されたのはフリーと一緒だったいうこともあるだろうが、これだけのエンターテインメント・ショウを収めるための最善の判断であったと思う。
音がよく聴こえないとか観客席とステージが遠いとか、そもそもプログレを意味深く味わうのに野球場でいいのか、なんてことはどうでもよいことは、オーディエンス録音ならではの観客の会話からも判る。
(追加:2020年8月10日)