King Crimson Data Base
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Live in Warsaw 2000  -2004-

  1. PorzaKc Blues / プロザック・ブルース
  2. The ConstruKction Of Light / コンストラクション・オブ・ライト
  3. The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum / ザ・ワールズ・マイ・オイスター・スープ・キッチン・フロア・ワックス・ミュージアム
  4. Improv : Warsaw / インプロ:ワルシャワ
  5. Dinosaur / ダイナソー
  6. One Time / ワン・タイム
  7. VROOOM / ヴルーム
  8. Cage / ケイジ
  1. Into The Frying Pan / イントゥ・ザ・フライング・パン
  2. Larks' Tongues In Aspic : Part Four / 太陽と戦慄パートIV
  3. Three Of A Perfect Pair / スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペア
  4. The Deception Of The Thrush / デセプション・オブ・ザ・スラッシュ
  5. Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream / セックス、スリープ、イート、ドリンク、ドリーム
  6. Heroes* / ヒーローズ

Adrian Belew - guitar & vocals
Robert Fripp - guitar
Trey Gunn - Warr guitar, fretless Warr guitar
Pat Mastelotto - traps and buttons

Music by King Crimson, Words by Adrian Belew ( except * Bowie/Eno )

Recorded June 11, 2000 at Roma, Warsaw, Poland

King Crimson Collectors' Club の第28弾としてリリースされた本作品は、2000年5月から7月に行われた y2King Crimson のヨーロッパ・ツアーにおける、ポーランドでのライヴを収録している。
本作品は厳しい。 一般流通している作品と異なり、「King Crimson Collectors' Club からのリリース作品」と考えれば仕方ないのかもしれないが、それを差し引いたとしても、である。
理由は2点。
本ツアーでのライヴとしては 『 Heavi ConstruKction 』 と 『 Eyes Wide Open 』 の2作品がリリースされており、特に後者は映像作品ということもあり、ライヴの実体により迫っている。 そして何よりも演奏自体の出来が悪い。 ブリューのヴォーカルも、バンドのアンサンブルもともに良くなく、何故本ライヴを選択してリリースしたのか疑問さえわいてしまう。
クリムゾンの裏お宝ライヴ、として味わうべき作品だと思う。

  1. ” ProzaKc Blues ” のブリューのソロは格好良い。 ただそれ以上に、演奏開始前のギターの生音が収録されているところが興味深い。 フリップの緊張しているだろう姿が、なんとなく想像される。
  2. 出来不出来が日によって分かれる ” The ConstruKction Of Light ” だが、ここでは残念ながらは良くないほうの演奏である。 とくに前半部分でのギターの絡みはズレが生じてたりして、聴いていてはらはらしてくる。
  3. ” The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum ” も前曲に引き続き厳しい演奏。 ここまでバラバラな演奏をバックにちゃんと歌っているブリューに感心してしまう。
  4. ” Improv : Warsaw ” は前半が比較的緩やかなソロ合戦。 一旦ブレイクした後は早めのソロやストリングス音が絡み合いそれなりにスリリングな演奏。 しかしやはり音だけでは辛く、映像が欲しいところである。
  5. ” Dinosaur ” はレヴィンの不在がここでも裏目に出てしまっている。 ヴォーカル・ナンバーとしてライヴのアクセントとして必要な選曲なのかもしれないが、このメンバーで演奏するのはムリがあると思う。
  6. 繰り返しになるが、” One Time ” は、やはりつまらない。 ” Dinosaur ” は4人編成での演奏に難があったが、本曲は6人だろうが4人だろうが、曲自体の魅力の乏しさがそのまま出ているだけである。
  7. ” VROOOM ” は、2度目の主旋律部分への入りでのマステロットの演奏が相変わらずいただけないが、その前のギターのアドリブが妙に格好良かったりする。 アドリブをそのまま発展させてもらいたくなるほどの魅力があるのだが、ダブル・トリオ期の楽曲のため自由度が少なく、すぐに終了してしまうのが残念である。
  8. ” Cage ” は、この編成での演奏を初めて聴いた時の感動は薄れてしまったが、それでもアレンジは斬新で素晴らしいと思う。  
  1. ” Into The Frying Pan ” は、ブリューのヴォーカルはヘロヘロで、後半は当人もごまかしようがないと自覚したのか、かなり投げやりな唄い方をしている。 ラストのギター・パートが格好良く、このパートがなければかなり悲惨なテイクに陥っていたと思う。
  2. ” Larks' Tongues In Aspic : Part IV ” は、コーダでヴォーカルが入るパターン。 演奏は淡々とこなされ可もなく不可もなく、といったところ。 本曲がライヴで完成を見せるのは同年秋のツアーからだと思う。
  3. ” Three Of A Perfect Pair ” は、ブリューのアコースティック・ギターによる弾き語り。 『 Eyes Wide Open 』 と異なり、観客とコール・アンド・レスポンス(笑)することなくコーラス・パートが終了するのが、ちょっと残念。
  4. 元々 ” The Deception Of The Thrush ” に対しては良い印象を持っていないのだが、その中でも本テイクは酷い方だともう。 ダラダラとした始まり方は締まりがなく、格好悪い。
  5. ” Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream ” では、ブリューのヴォーカルが限界に達している。 歌い出しで思いっきり外した上に途中でも声が全然出ていない。
  6. 同年10月の来日公演では、ブリューの声の調子によって演奏されない日もあった ” Heroes ” だが、ここではヘロヘロのまま演奏されている。 現場にいたという贔屓目もあるが、明らかに来日公演の出来具体の方が上だっただけに、この程度で演奏するくらいなら、日本でも全て演奏してほしかった。

(追加:2005年8月25日)
(追加:2006年8月10日)