King Crimson Data Base
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Champaign - Urbana Sessions 1983  -2003-

  1. San Francisco / サン・フランシスコ
  2. Tony bass riff / トニー・ベース・リフ
  3. Sequenced / シークエンスド
  4. Steinberger melody / スタインバーガー・メロディ
  5. Fragmented / フラグメンティッド
  6. Not one of those / ノット・ワン・オブ・ゾーズ
  7. ZZZZ's / ZZZZ's
  8. Reel 3 jam / リール3ジャム
  9. Robert and Bill / ロバート・アンド・ビル
  10. Say NO / セイ・ノー
  11. Robert's ballad / ロバートズ・バラード
  12. Heat in the Jungle / ヒート・イン・ザ・ジャングル
  13. Grace Jones / グレース・ジョーンズ
  14. Adrian looped / エイドリアン・ループド

Adrian Belew - guitar
Robert Fripp - guitar
Tony Levin - bass guitar & Stick
Bill Bruford - drums

January 17-30 1983
at C.V.Lloye Music, Champaign - Urbana, IL

Music by King Crimson

King Crimson Collectors' Club の21作品目として、1983年に行われたスタジオ・セッションを収録したもの。
前年7月から9月に行われた北米~ヨーロッパ・ツアーの収録後に行われたセッションは、フリップのライナーによれば、1997年のナッシュビルでのリハーサルと同じように失敗したものであるとのこと。 その理由についてはいつもながらのフリップのバンド運営論とともに同じくライナーに記載されている。
このセッションの最大の特徴は、ミニマル・フレーズのかわりにリフを中心とした楽曲を試みている事だと思う。 特にそのパターンの曲にレヴィンのベースが絡んでいる部分はスリリングで格好良いのだが、やはり未消化であったらしく、すぐにシーケンシャル・フレーズ+シモンズのポコポコのパターンに戻る事が多いのが大変残念である。 戻ろうとしたのか戻らざるを得なかったのか、その辺りは大変興味深い。
『 Three Of A Perfect Pair 』 の楽曲の一部分が散見するが、本セッションを 『 Three Of A Perfect Pair 』 のプロトタイプと考えるより、『 Three Of A Perfect Pair 』 を本セッションでの未消化な部分を出さざるを得なかった妥協の産物と考えた方が良いと思う。
日本では、『 The Collectors' King Crimson Volume 7 』 の1作品としてリリースされたが、オリジナルとの違いはない。

  1. ” San Francisco ” は、唸りをあげるギターとベースのパートが格好良い反面、ブルーフォードのシモンズが旧態依然で格好悪く残念。
  2. ” Tony bass riff ” は、タイトル通り、レヴィンのベースが縦横無尽に駆けめぐる曲。 それに絡むギターのリフもディストーションがかかったソリッドな音で素晴らしい。 ただ、曲後半はギターが中途半端なシーケンシャル・フレーズに陥ってつまらなくなる。
  3. ” Sequenced ” は、シンセ(?)のシーケンシャル・フレーズに管楽器系のギター・シンセが絡む曲。 後半からブルーフォードの忙しないパーカッションも絡んでくる。
  4. ” Steinberger melody ” は、極度にエフェクトされたベースに、ギター・シンセが絡んでくる曲。 タイトルから連想すると、レヴィンが当時流行していたスタインバーガーのベースを使用したものと思われるが、実際のところはわからない。
  5. ” Fragmented ” は、『 Three Of A Perfect Pair 』 収録の ” Industry ” のプロトタイプ。
  6. ” Not one of those ” は、ベースのリフがメインで、そこにギターが絡んでくる。 習作の域は出ていない。
  7. 続く ” ZZZZ's ” は、ギターのリフがメインとなる。中途半端なインダストリアル風の音に逃げていないだけに、この辺りの曲を発展・完成させてくれていたらと思う。
  8. ” Reel 3 jam ” は、いかにもシモンズという音に、中近東風のギターが絡む曲。 つまり 『 Discipline 』 や 『 Beat 』 で散々やり尽くされた手法で、目新しさは全くない。
  9. ” Robert and Bill ” は、『 Three Of A Perfect Pair 』 いたるところで聴いたことがあるようなブルーフォードのドラム・ソロの後、” Larks' Tongues In Aspic Part III ” のイントロのフレーズと続く。 フリップのソロにブルーフォードのドラムが絡むところが原曲との違いだが、発展させようがなかったらしく中途半端に終了している。 ギターのフレーズとしては捨てがたかったため ” Larks' Tongues In Aspic Part III ” のイントロとして強引に採用したのかもしれない。
  10. ” Say NO ” もシモンズにギター・シンセやシーケンシャル・フレーズが絡むだけのワンパターンな習作。
  11. ” Robert's ballad ” は、ギターのアルペジオにスティックとギター・シンセが絡む曲。 後半からブルーフォードがリズム・キープに徹した地味な演奏を加える。
  12. ” Heat in the Jungle ” は、タイトル通り ” Thela Hun Ginjeet ” と似ている曲。 忙しないリズム隊に、ディストーションが目一杯かかったギターやギター・シンセが絡んでくるのだが、” Thela Hun Ginjeet ” を発展させたというより、曲が出来上がってみたら 「 これ、” Thela Hun Ginjeet ” の質の悪い二番煎じじゃん 」 ってことにあらためて気づいてボツにしたように思える。
  13. ” Grace Jones ” は、ブリューが当時ソロ契約していたアイランドに同じく所属していた、おっかないルックスのグレース・ジョーンズのこと。 二人の様々なギター・ソロが絡んでくるのは面白いと思うが、曲としてのメリハリはほとんど無く、やはり習作の域を超えていない。
  14. ” Adrian looped ” は、タイトルからするとブリューのものと思われるギター・シンセによる短めの曲。

(追加:2004年2月10日)