King Crimson Data Base
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Live In Detroit, MI 1971  -2001-

  1. Pictures Of A City ( Fripp, Sinfield ) / 冷たい街の情景
  2. Formentera Lady ( Fripp, Sinfield ) / フォーメンテラ・レディ
  3. Sailor's Tale ( Fripp ) / 船乗りの話
  4. Cirkus ( Fripp, Sinfield )  / サーカス
  5. Ladies Of The Road ( Fripp, Sinfield ) / レディー・オブ・ザ・ロード
  6. Groon ( Fripp ) / グルーン
  1. 21st Century Schizoid Man ( Fripp, Lake, McDonald, Giles, Sinfield ) / 21世紀のスキッツォイド・マン
  2. Mars ( Holst arr. Fripp, Collins, Burrell, Wallace ) / マーズ
  3. In The Court Of The Crimson King ( McDonald, Sinfield ) / クリムゾン・キングの宮殿
  4. Lady Of The Dancing Water ( Fripp, Sinfield )

Boz Burrell - bass, lead vocal
Mel Collins - flute, sax, mellotron
Robert Fripp -guitar, mellotron
Ian Wallace - drums, vocals
Pete Sinfield - words, sounds & visions

December 13, 1971

The audience link after Pictures of a City has been repaired. A few obvious faults remain. The introduction to Ladies of the Road is missing, and there is a break in the middle of Groon, where the original tapes were changed.

King Crimson Collectors' Club の第18弾としてリリースされた本作品は、デトロイトでのライヴを収録したもの。 『 Islands 』 リリース後、クリムゾンは1971年11月から約1ヶ月集中してアメリカでツアーをしている。 本ライヴはその最終日を収録したもの。
『Islands 』 収録前からバンドの中で浮いてしまっていたシンフィールドは、本ツアー終了後にクリムゾンを脱退している。 ” In The Court Of The Crimson King ” を、本作品に収録されているようなブルース・バージョンで何回演奏したのかはわからないが、それを耳にした彼の心中を思うとさすがに可哀想になってくる。
日本では、『 The Collectors' King Crimson Volume 6 』 の1作品としてリリースされた時は、” Lady Of The Dancing Water ” を外し、更にインストの ” Groon ” と ” Mars ” を大幅に短縮してCD1枚に編集していた。

  1. ” Pictures Of A City ” スタジオ・テイクの忠実な再現+コリンズによるフリーなサックス・パートという構成で、Lineup2を通じてほぼ同じ演奏を行っていたことがわかる。
  2. ” Formentera Lady ” は、後の『 Live At Jacksonville 1972 』 のテイクと異なり曲前半の美しいパートも丁寧に演奏されている。 リリース直後の 『 Islands 』 をプロモーションしようとする意志が明確に感じられる。
  3. ” Sailor's Tale ” は、『 Live At Jacksonville 1972 』( 『 Earthbound 』 )のテイクと同じように素晴らしい演奏。 曲後半のフリップのギター・ソロ、ギターかき鳴らしとも格好良く、名曲の名演奏といったところ。
  4. ” Cirkus ” は、メロトロンのチューニングが怪しくなったり、ボズのヴォーカルが一本調子だったり等の問題点こそあるが、他のコレクターズ・クラブに収録されているテイクより、遙かに良い。 ライナーの中でウォーレスがスタジオ・テイクより均整がとれていると自慢しているが、それもうなずけるだけの演奏である。
  5. ” Ladies Of The Road ” も、スタジオ・テイクの忠実な再現をねらったような演奏。 ただボズのシャウトはスタジオ・テイク以上に下品で、曲のコンセプトにはこちらのほうがマッチングしているのかもしれない。
  6. ” Groon ” は、ウォーレスのドラム・ソロに入る前にフリップが太陽と戦慄もどきの演奏をするところに興味がひかれる。 その後のドラム・ソロは生ヴァージョンとVCS3ヴァージョンが連続する。 『 Earthbound 』 を初めて聴いた時にはたまげたVCS3の効果もさすがにちょっと食傷気味である。
  7. ” 21st Century Schizoid Man ” は、『 Live At Jacksonville 1972』 と同じくコリンズによるサックス・ソロのパートがなく、曲は短めにまとまっている。 これでフリップのソロが格好よければ良いのだが、特に惹かれる演奏ではない。 この時期ならではのコリンズによる無意味に長いサックス・ソロがあっても良かったのではないかと思えてくる。
  8. ” Mars ” は、『 Live At Plymouth 1971 』 での中途半端な演奏よりは上といったところ。 VCS3による装飾音が相変わらずうるさいが、それよりもメロトロンの歪んだ白玉をもっと堪能したいと思う。
  9. ” In The Court Of The Crimson King ” は、ライナーでウォーレスが ” In The Court Of B.B. King ” と言及している通りのブルース・ヴァージョン。 昔のレパートリーを要求する観客に対して辟易していたことは、演奏後にボズが、「 Satisfied? 」 と叫んでいることからも容易に想像することができるが、なにもここまでしなくてもと思う。 玉石混合のコレクターズ・クラブにおいても特に資料性の高いテイクである。
  10. ” Lady Of The Dancing Water ” は中途半端に突然曲が終了する。 あまり残念に思えないのは演奏自体がたいしたものではないからだと思う。

(追加:2003年6月10日)