King Crimson Data Base
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Live At Summit Studio 1972  -2000-

  1. Pictures Of A City ( Fripp, Lake, McDonald, Giles, Sinfield ) / 冷たい街の情景
  2. Cadence And Cascade ( Fripp, Sinfield ) / ケイデンスとカスケイド
  3. Groon ( Fripp ) / グルーン
  4. 21st Century Schizoid Man ( Fripp, Lake, McDonald, Giles, Sinfield ) / 21世紀のスキッツォイド・マン
  5. Improv : Summit Going On ( Fripp, Collins, Burrell, Wallace ) / インプロヴィゼイション:サミット・ゴーイング・オン
  6. My Hobby
  7. Sailor's Tale ( Fripp ) / ザ・セイラーズ・テイル
  8. The Creator Has A Master Plan ( Pharaoh Sanders, Leon Thomas - arranged by Fripp, Collins, Burrell, Wallace ) / ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスター・プラン
    including Improv : Summit & Something Else ( Fripp, Collins, Burrell, Wallace ) / インクルーディング インプロヴィゼイション:サミット&サムシング・エルス

Robert Fripp    guitar, mellotron
Mel Collins    sax, flute, mellotron
Boz Burrell    bass guitar, lead vocal
Ian Wallace    drums, backing vocal

March 12, 1972

King Crimson Collectors' Club の第9弾としてリリースされた本作品は、デンバーでのスタジオ・ライヴを収録したもの。 デンバーでのスタジオ・ライヴは、『 A Young Person's Guide To King Crimson 』 や 『 Frame By Frame 』 のブックレットでは、3月13日に行われたとされていたが、本作品のリリースをもって3月12日に修正されたことになる。
同時期のライヴを編集した 『 Earthbound 』 や、本ライヴの2週間前の演奏を収録した 『 Live At Jacksonville 1972 』 が既にリリースされていることもあり、若干の収録曲の違いはあるとはいえ、本作品自体にはあまり目新しさは感じられない。 更に言えば、衝撃度がどんどん減少しており、『 Earthbound 』 の凄まじさをあらためて認識させているだけに思える。
日本では、『 The Collectors' King Crimson Volume 3 』 の1作品としてリリースされたが、オリジナルとは ” Improv : Summit Going On ” での編集とトラッキングが若干異なっていた。

  1. ” Pictures Of A City ” は、唯一のインプロ・パートであるコリンズのサックス・ソロの前の、ギターとサックスによる早いパッセージが格好良い。 ウォーレスがライナーでコメントしている通り、曲自体の出来具合は「 Schizoid Man II 」 に過ぎないことをあらためて確認できる。
  2. ” Cadence And Cascade ” は、やはりこのメンバーで演奏するには無理があったと思う。 特にボズの雰囲気を出そうとしている歌い方が鼻につく。 いっそ破天荒に歌いまくってもらった方が良かったかもしれない。
  3. ” Groon ” は、メイン・リフの後のサックス・ソロ→ギター・ソロという流れがちょっとワン・パターン。 曲半分をしめるウォーレスのドラム・ソロがシンセサイズされていないのが 『 Earthbound 』 との大きな違い。 また、ドラム・ソロの最後に絡んでくるフリップのギターは、凄まじいまでに不器用で格好悪い。
  4. ” 21st Century Schizoid Man ” は、ブルースっぽいコリンズのソロ・パートがなく、その分フリップのギター・ソロが長め。しかしながら、最初はかなり激しいソロをとるものの、中途半端に一度終了仕掛け再び強引に盛り上げるという展開が、しらける。 このメンバーでの本曲のベスト・トラックは、やはり 『 Earthbound 』 収録のテイクだと思う。
  5. ” Improv : Summit Going On ” は、インプロというより中途半端なブルース・セッション。 結局のところ、クリムゾンがブルースをやるからつまらないのではなく、曲として・演奏としてのレベルが低いからつまらないのだと思う。
  6. ” Sailor's Tale ” は、ラストにウォーレスのドラム・ソロはなく、フリップがギターをかき鳴らすところで終了。 とは言え、本曲の格好良さは本テイクでも再認識することができる。
  7. ”The Creator Has A Master Plan including Improv : Summit & Something Else ” は、ファラオ・サンダースの曲を元に、セッションを展開した曲。 唯一の聴き所は、曲の終わり近くで太陽と戦慄のパート1とパート3で出てくるようなクロマティックなギターをフリップが演奏するところ。

(追加:2001年10月10日)