King Crimson Data Base
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Heavy ConstruKction  -2000-

  1. Into the Frying Pan / イントゥ・ザ・フライング・パン
  2. The ConstruKction of Light / ザ・コンストラクション・オブ・ライト
  3. ProzaKc Blues / プロザック・ブルース
  4. Improv : Munchen / インプロヴィゼイション:ミュンヘン
  5. One Time / ワン・タイム
  6. Dinosaur / ダイナソー
  7. VROOOM / ヴルーム
  8. FraKctured / フラクチャード
  9. The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum / ザ・ワールドズ・マイ・オイスター・スープ・キッチン・フロア・ワックス・ミュージアム
  10. Improv : Bonn / インプロヴィゼイション:ボン
  1. Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream / セックス、スリープ、イート、ドリンク、ドリーム
  2. Improv : Offenbach / インプロヴィゼイション:オッフェンバッハ
  3. Cage / ケイジ
  4. Larks' Tongues in Aspic : Part IV / Coda : I Have a Dream / 太陽と戦慄パート IV / コーダ:アイ・ハヴ・ア・ドリーム
  5. Three Of A Perfect Pair / スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー
  6. The Deception Of The Thrush / ザ・ディセプション・オブ・ザ・スラッシュ
  7. Heroes / ヒーローズ
  1. Sapir / サピア
  2. Blastic Rhino / プラスティック・ライノ
  3. Lights Please ( Part 1 ) / ライツ・プリーズ(パート1)
  4. ccccSeizurecc / シージャー
  5. Off And Back / オフ・アンド・バック
  6. More ( And Less ) / モア(・アンド・レス)
  7. Beautiful Rainbow / ビューティフル・レインボウ
  8. 7 Teas / 7ティーズ
  9. Tomorrow Never Knew Thela ( including Tomorrow Never Knows ) / トゥマロウ・ネヴァー・ニュー・セラ(インクルーディング トゥマロウ・ネヴァー・ノウズ)
  10. Uboo / ウーブー
  11. The Deception Of The Thrush / ザ・ディセプション・オブ・ザ・スラッシュ
  12. Arena Of Terror / アリーナ・オブ・テラー
  13. Lights Please ( Part 2 ) / ライツ・プリーズ(パート2)

Adrian Belew    guitar & vocals
Robert Fripp    guitar
Trey Gunn    touch guitar, ashbory bass, talker
Pat Mastelotto    electronic drumming

CD1 & 2:
Produced by David Singleton & Alex R. Mundy at Discipline Globar Mobile
CD3:
Produced & Mixed by Pat Mastelotto and Bill Munyon at  Bill's Apt. and Blue World Music.

本作品は、2000年5月から7月に行われた y2King Crimson のヨーロッパ・ツアーから収録したライヴ・アルバム。 CD1 と CD2 にはコンサートのほぼ全容を収録、CD2 には更に6月23日のローマでのコンサートからに6曲の映像を収録している。 そして CD3 は、マステロットによるソースの切り張り作業が収録されている。

CD1 から CD2 に収録されている音源は、y2King Crimson としてのライヴ経験が少ないためか、やはりこなれていないところが目立つ。 また、ダブル・トリオ・クリムゾン時代の作品は、当時の編成でのライヴ・テイクとの落差が激しく、聴いていてちょっと辛い。 とは言え、” FraKctured ” や ” Larks' Tongues in Aspic : Part IV / Coda : I Have a Dream ” の緊張感はやはり見事。 音の良さも手伝い、ライヴ・アルバムとしてクオリティの高い作品だと思う。

  1. ” Into the Frying Pan ” は、ブリューのヴォーカルが結構ヘロヘロなのが情けないが、ギターの音のうねりはスタジオ・テイクよりも激しく楽しめる。
  2. ” The ConstruKction of Light ” は、やはり未だ演奏がこなれていないのか、リズム隊とギターとの絡みに不自然さが感じられる。 今後ライブを重ねていく上で、こなれていくことを期待したい。
  3. ” ProzaKc Blues ” は、70年代のハード・ロック調のギター・ソロがやはり格好良いのと、ガンのフレーズがやたらメロディアスなのが特徴。
  4. ” Improv : Munchen ” は、単調ではあるものの緊迫感のあるリズムの上にピアノ音、ストリングス音が重なった後、激しいギターが絡まってくる。 途中 ” Into the Frying Pan ” のメイン・リフと同じ音階がバックで鳴るものの、メインは最後までギター・ソロ。
  5. ” One Time ” は、この編成になってもやっぱりつまらない曲。 もともとブルーフォードもレヴィンも殆どライヴでは演奏していなかったしね。
  6. ” Dinosaur ” では、レヴィンの本曲における貢献度をあらてめて認識することができる。 レヴィン不在の為ベース・パートをガンが演奏するのだが、ヴォーカルのバックでの演奏の差があまりにも顕著。 単にアップライト・ベースによるソロが割愛されていることだけではなく、本曲でのレヴィンの不在はあまりにも痛い。
  7. もともと ” VROOOM ” は、ダブル・トリオとしての編成が一番活かされていた曲だけに、当然 y2King Crimson での演奏がどのようなものになるのかが注目されるわけだが、結果としてマステロットのセンスのなさだけが露呈してしまっている。 2度目の主旋律部分への入りでのパワー・プレイ、これほど格好の悪いドラムは滅多に聴くことができない。
  8. ” FraKctured ” は、本アルバムでもハイライトの一つ。 来日公演時にハラハラさせたような危うさが、見事なまでの編集によってカバーされているところはご愛敬だが、ソリッドな音でのシーケンシャル・フレーズは凄い。
  9. ” The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum ” は、やはり演奏がこなれていないためか、特にインスト・パートでの中弛みが気になってしまう。
  10. ” Improv : Bonn ” は、導入部はダラダラとしてつまらなめであるが、中間部から比較的ハードな演奏に移行する。 それ程おもしろい曲ではないけどね。
  1. ” Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream ” は、ブルーフォード&レヴィンの活躍度はそれ程高い曲ではなかったにも拘わらず、バッキングの演奏の粗さが非常に目立つ。
  2. ” Improv : Offenbach ” は、ギミック音中心のおとなしめのインプロ。 シームレスに次曲に。
  3. ” Cage ” は、ダブル・トリオ・クリムゾン時代の曲を新たにアレンジして演奏したもの。 原曲のアレンジを殆どとどめていないことについての是非は個人の好みによって意見が分かれるところだと思うが、他のダブル・トリオ・クリムゾンの曲のように、原曲に近いアレンジで演奏することによってブルーフォード&レヴィンがいないことのマイナス面ばかりが強調されようなことがなく、成功していると思う。
  4. ” Larks' Tongues in Aspic : Part IV / Coda : I Have a Dream ” は、やはり名曲であり、本作品のハイライトの一つ。 緊張感あふれる演奏には遊びがなく、真剣に聴き入ることができる。
  5. ” Three Of A Perfect Pair ” は、ブリューによるアコースティック・ギターによる弾き語り。
  6. ” The Deception Of The Thrush ” は、重めの導入部から、ギター・パート、最後のガンのソロと、ややマンネリ気味。
  7. ” Heroes ” は、本作品というか、y2King Crimson のライヴでの目玉。 日本公演時にも演奏された日、されなかった日があり、多くのファンの泣き笑いを呼んだ。 フリップのギターが本曲で鳴っている、ということだけで商品性は高くなっているのだが、こういったオーソドックスなリズム・パターンでのガンは、もともとがベース奏者ではないだけに、演奏が平坦でつまらない。

 

CD2 収録の映像は、暗い/小さい/短いという欠点こそあるものの、やはり貴重。 映像をともなっているため音源の編集も(多分)なく、素の演奏を楽しむことができる。

  1. 1曲目はノン・タイトルのインプロ。 ストリングス系の音中心の構成から始まり、 ” Into the Frying Pan ” のメイン・リフと同じ音階が奏でられた後、ひたすらフリップが弾きまくり。 映像も殆どフリップ中心。
  2. ” Larks' Tongues in Aspic : Part IV / Coda : I Have a Dream ” では、1度目のソロがフリップでブリューはリフ中心、2度目のソロはブリューが中心でフリップはサウンドスケイプ中心。 演奏後にフラッシュがたかれたことについてのフリップのクレームも収録されている。
  3. ” Cage ” では、ガンがディアルモンドのアッシュボリィ・ベースを演奏していること、マステロットが素手でドラムを叩いていることが確認できる。
  4. ” The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum ” では、1度目のソロがブリュー、2度目のピアノ音によるソロがフリップ。
  5. ” Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream ” では、インスト・パートの迫力がない理由が、演奏者が減ったことではなく、リズム隊のやる気のなさであることが、ガンのつまらなそうな顔からわかる。
  6. ” VROOOM ” は、2度目の主旋律部分への入りでのマステロットのパワー・プレイがやっぱり不快。 唯一の救いはその部分でマステロットがアップにならないことか。 

 

クレジットこそないものの、ProjeKct X としての作品である CD3 は、正直に言ってつまらない。 インプロならインプロだけをそのまま提供してもらったほうが遙かに楽しむことができたと思う。 ライヴでのマテリアルの意図不明・センス不在の切り張りが続き、飽きてくる。 唯一の収穫は、ProjeKct X はインプロ中心の作品をリリースする y2King Crimson の別形態などではなく、マステロットが切り張りを行うときの作業名であることを確認できたことだと思う。

  1. ” Sapir ” は、一人一人がフリーに演奏するパートから始まり、ストリングス系の音とギター・ソロが中途半端に絡んだままエンディングを迎える。
  2. ” Blastic Rhino ” は、タイトルからわかるように、ブリューのソロをフィーチャーした曲。
  3. ” Lights Please ( Part 1 ) ” は、カメラ撮影を抗議するフリップの発言と、演奏をコラージュしている。
  4. ” ccccSeizurecc ” は、中途半端なフリー演奏部後に、” Seizure ” をミックスしたもの。 来日公演でも格好良かった ” Seizure ” が。マステロットのセンスによって改悪されたテイクと思えばよい。
  5. ” Off And Back ” は、ゆったりとしたリズムの上に、ストリングス系の音とエコーの深くかかったギターが被さる。
  6. ” More ( And Less ) ” は、Vドラムのギミック中心に編集された曲。
  7. ” Beautiful Rainbow ” は、ヒョロヒョロとしたギターの絡みの後、ギター・ソロがフィーチャーされる。
  8. ” 7 Teas ” は、前曲の後半部に、さらにストリングス音が被さったような曲。
  9. ” Tomorrow Never Knew Thela ( including Tomorrow Never Knows ) ” の無意味な編集は、ビートルズ・フアンをも怒らせるほどのつまらないもの。
  10. ” Uboo ” は、比較的編集が少ないと思われるインプロ。 ライヴで見ていたら楽しめたと思う。
  11. ” The Deception Of The Thrush ” のアレンジは、原曲とほぼ同じ。 5テイクから編集した意図は全く不明。 次曲の前にノン・クレジットで ” Three Of A Perfect Pair ” がかすかに挿入される。
  12. ” Arena Of Terror ” は中途半端なインプロ。 ソースは不明。
  13. ” Lights Please ( Part 2 ) ” は、” Lights Please ( Part 1 ) ” から観客席の動揺をそのまま収録している。

 

  TITLE PLACE
1- 1 Into the Frying Pan 6/4 Munich
- 2 The ConstruKction of Light 6/6 Bonn
- 3 ProzaKc Blues 6/25 Paris
- 4 Improv : Munchen 6/4 Munich
- 5 One Time 6/10-11 Warsaw
- 6 Dinosaur 6/10-11 Warsaw
- 7 VROOOM 6/9 Poznan
- 8 FraKctured 5/27-28 Copenhagen, 6/6 Bonn
- 9 The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum 6/6 Bonn
-10 Improv : Bonn 6/6 Bonn
2- 1 Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream 6/27 Barcelona
- 2 Improv : Offenbach 6/7 Offenbach
- 3 Cage 6/7 Offenbach
- 4 Larks' Tongues in Aspic : Part IV / Coda : I Have a Dream 6/20 Conegliano Veneto, 6/25 Paris
- 5 Three Of A Perfect Pair 6/21 Gardone Riviera
- 6 The Deception Of The Thrush 7/3 London
- 7 Heroes 6/10-11 Warsaw
3- 1 Sapir 6/25 Paris, 7/3 London
- 2 Blastic Rhino 6/6 Bonn, 6/13 Prague, 6/21 Gardone Riviera, 6/29 Madrid
- 3 Lights Please ( Part 1 ) NON CREDIT
- 4 ccccSeizurecc 6/3 Stuttgart, 6/9 Poznan, 6/23 Rome, 7/3 London
- 5 Off And Back 6/7 Offenbach
- 6 More ( And Less ) 6/23 Rome, 6/27 Barcelona
- 7 Beautiful Rainbow 6/28 San Sebastian
- 8 7 Teas 5/27-28 Copenhagen, 6/4 Munich
- 9 Tomorrow Never Knew Thela ( including Tomorrow Never Knows ) 6/10-11 Warsaw, 6/13 Prague
-10 Uboo 6/29 Madrid, 7/3 London
-11 The Deception Of The Thrush 5/31 Berlin, 6/9 Poznan, 6/23 Rome ,6/25 Paris, 6/28 San Sebastian
-12 Arena Of Terror NON CREDIT
-13 Lights Please ( Part 2 ) NON CREDIT