King Crimson Data Base
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Absent Lovers Live At Montreal  -1998-

  1. Entry Of The Crims
  2. Larks' Tongues In Aspic Part III
  3. Thela Hun Ginjeet
  4. Red
  5. Matte Kudasai
  6. Industry
  7. Dig Me
  8. Three Of A Perfect Pair
  9. Indiscipline
  1. Satori In Tangier
  2. Frame By Frame
  3. Man With An Open Heart
  4. Waiting Man
  5. Sleepless
  6. Larks' Tongues In Aspic Part II
  7. Discipline
  8. Heartbeat
  9. Elephant Talk

Adrian Belew    guitar, drums and lead vocal
Robert Fripp    guitar
Tony Levin    bass, stick, synth and vocal
Bill Bruford    acoustic and electronic drums and percussion

Recorded at The Spectrum, Montreal on Wednesday July 11th, 1984

ディシプリン・クリムゾンの最後のステージをおさめたライブ・アルバム。 何故か日本語タイトルのクレジットはない。
ジャイルズ、ジャイルズ&フリップのサウンドがクリムゾンのサウンドに変わるまでの数ヶ月の間に何があったのか。 ケミストリーという一語ですますことができない何かがなければ、あれほどの変化はなかったはずだが、その何かがよくわからない。 同じように4月の来日公演から僅か4ヶ月足らずの間に一体何があったのか不思議に思えるほど、本アルバムにおけるクリムゾンのライブは凄まじく、素晴らしい。 各自がやりたい放題で ( 特にブルーフォード。 おかずの数が異常に多い ) バンドとしてのアンサンブルは破綻寸前なのだが、逆に緊張感が凄まじい。
1984年にこのアルバムが発表されていたら、ディシプリン・クリムゾンの評価も ( ダブル・トリオ・クリムゾン以降の安易なディシプリン・クリムゾン再評価ブームを待たずに ) もっと上がっていたと思う。

  1. ” Entry Of The Crims ” は、来日公演時の ” No Warning ” と若干異なり、ブリューとフリップのギターがハード。 そのまま次曲に繋がる展開は同じだけど。
  2. ” Larks' Tongues In Aspic Part III ” は、前曲に引き続きギターが激しい。 しかしそれ以上に素晴らしいのはブルーフォードのドラム。 おかずの多さ、打音の大きさ等、尋常ではない。
  3. ” Thela Hun Ginjeet ” では、ブルーフォードの好調さがそのまま持続している。 本来この曲ではもっと見せ場の多いはずのレヴィンが目立たないほどである。
  4. ” Red ” は初来日時には演奏しておきながら、1984年の来日時には演奏されなかったことが悔しい。 ” Larks' Tongues In Aspic Part II ” でのギターの音が若干軽めなのに対し、本曲ではオリジナル同様重い音なのが嬉しい。
  5. ” Matte Kudasai ” は相変わらずのヴォーカル曲+ブリューのボトル・ネック奏法。
  6. ” Industry ”ではつまらなそうにドラムを叩くブルーフォードが目に浮かぶ。 2人のギターは相変わらず堪能できる。
  7. ” Dig Me ” は映像なしで聴いているとちょっと辛い。
  8. ” Three Of A Perfect Pair ” もそれほど目立つところはない。
  9. ” Indiscipline ” では、絶好調ブルーフォードのドラムが、冒頭のドラム・ソロの段階から炸裂する。 ブリューのヴォーカルがうわずっているのはお笑いだが、バンド全体での演奏もハードで格好良い。
  10. ” Satori In Tangier ” は、フリップが弾きまくり。 リーグ・オブ・ジェントルメンの時もそうであったが、フリップはどんなにアンサンブル中心、シーケンシャル・フレーズ中心にこだわっていても、「弾きまくりたい!」という欲求は隠しきれず、ライブで爆発してしまうことがある。 うれしいけどね。
  11. ” Frame By Frame ” でのブリューとフリップのギターの絡みは、来日公演時よりも滑らかで、バンドとして演奏がこなれてきていることがよくわかる。
  12. ” Man With An Open Heart ” は、ヴォーカル曲でおもしろくない。 ブルーフォードのドラムはおかずが多いけど。
  13. ブックレットにも写真が収められているように、” Waiting Man ” はブルーフォードとブリューの向かい合ってシモンズを叩くところから始まっている。 惜しまれるのはフリップのギターがあまり目立たず、シモンズからギターに切り替えたブリューのギミック音ばかりが目立つこと。
  14. ” Sleepless ” は、レヴィンのベース、ブルーフォードのドラムともやりたい放題。 多少走り気味なところもあるとはいえ、2人のベスト・テイクの1つかもしれない。
  15. ” Larks' Tongues In Aspic Part II ” のオリジナル編成との決定的違いはギターの音が軽めであること以上に、リズム隊の不思議な疾走感にあると思う。
  16. リズムの複雑さでは、ディシプリン・クリムゾンでも上位に挙げられる” Discipline ”も、この時期のライブでは心配なく聴くことができる。
  17. ” Heartbeat ” は、やはり地味。 来日公演時には最後の曲であったのを、1曲前にもってきたのは正解だと思う。
  18. ディシプリン・クリムゾンの代表曲が ” Elephant Talk ” であることは、本ライブ・アルバムを聴いているとあらためて認識することができる。