1970
Emerson Lake & Palmer : Emerson Lake & Palmer
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Produced by Greg Lake
EL&P のファースト・アルバム。
バンドとしての楽曲とソロ的な作品の差が分かり易いバンドであるが、特に本作ではその差が顕著に現れている。 ただ後の作品に散見する捨て曲はなく、メジャーになってやろうという3人の野心をポジティブに受け止めることができる作品である。。
レイクが作った2曲の内、特に ” Lucky Man
”
は後々まで歌い続けることになり、レイクのライフ・タイム・ベストといっても良い作品。 アコースティック・ギターによる弾き語りというフォーマットはメロディの美しさは感じられるものの、バンドとしての面白さは他の曲のほうがあるが。
(追加:2008年12月10日)
1971
Tarkus : Emerson Lake & Palmer
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Keith Emerson - Hammond Organ, St. Marks Church Organ,
Piano, Celeste, Moog Synthesizer.
Greg Lake - Vocals, Bass, Electric & Acoustic Guitar.
Carl Palmer - Drums, Assorted Percussion.
Produced by Greg Lake
EL&P のセカンド・アルバム。
ライヴで ”Jeremy Bender ” や ”Bitches Crystal ” を取り上げたりしているものの、やはりB面は捨て曲集のイメージが強い。 アルバムの中に散りばめておけばまだ良かったと思うが、いかんせんタイトル曲が長尺なためそうはいかず印象を悪くしてしまっている。 ただ、そんなB面の曲のほうがレイクらしさが色濃く出ており、印象強いタイトル曲は、殆どエマーソンによるものと思える。
一方タイトル曲は長尺な組曲であるにもかかわらず、とにかく分かり易いところが最大の特徴だと思う。 サーカスで曲芸を次々に見せられているような感じで、エンターティメント性が非常に高い。 そこにレイクのプロデュースがどこまで寄与しているかは、果てしなく疑問が残るが。
(追加:2009年2月10日)
Pictures At An Exhibition : Emerson Lake & Palmer
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Recorded Live. Newcastle City Hall. 26 March 1971
Arranged : Keith Emerson. Produced by : Greg Lake
発掘ライヴ音源やスタジオ新録等、一体どれだけの数リリースされているのか多分当人達にもわからなくなっているだろうEL&P の 『 展覧会の絵
』。
私自身だぶりも含めてそれなりの数を持ってたりするのだが、結局はオリジナルの本作品を聴くことが圧倒的に多い。 「この部分、オリジナルと違うじゃん!」という発見が、喜びよりもがっかり感に繋がることが多いのがその理由なのだと思う。 完成度が高いというのか予定調和を強いるというのか、その辺りは微妙なとこだが。
エマーソンが持ち込んだアイディアを具現化した作品とのことだが、レイクによるアコースティック・パートによって作品が一本調子に陥らずすんでいる。 図らずもレイクの寄与度が高い作品である。
(追加:2009年4月10日)
1972
Trilogy : Emerson Lake & Palmer
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Keith Emerson Hammond Organ C3, Steinway Piano,
Zoukra, Moog Synthesizer III C, Mini Moog Model D
Greg Lake Vocals, Bass, Electric & Acoustic Guitars
Carl Palmer Percussion
Produced by Greg Lake
『 Pictures At An Exhibition 』 と 『 Brain Salad Surgery 』
の間に挟まれているため分が悪いのは仕方ないと思うが、組曲形式の ” The
Endless Enigma ” もタイトル曲も地味で面白みがあるわけではない。
そんな中、ELP流ハード・ロックの完成型である ” Hoedown ” は、アドレナリンを確実に噴出させてくれる。 シングル・ヒットには至らないまでも、必殺の一曲を持つということがロック・ミュージシャンにとっていかに重要であるかを
” Hoedown ” は教えてくれる。
エマーソンによる曲芸の極みとも言える同曲においては、残念ながらレイクが活躍する場面はない。 自作の ”From The Beginning ”
が見せ場になるのだが、アコースティック・バラードにシンセが絡むというのはいうパターンは既にマンネリ化してしまっている。
(追加:2009年5月25日)
1973
Brain Salad Surgery : Emerson Lake & Palmer
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Keith Emerson
Organs, Piano, Harpsichord, Accordion, Custom built Moog Synthesizers &
Moog Polyphonic Ensemble
Greg Lake Vocals, Bass, Zemaitis Electric 6 string and
12 string guitars
Carl Palmer Percussion and Percussion Synthesizers
Many thanks and garland of martian fire flowers to Pete
Sinfield
for his collaboration on the lyrics on Karn Evil 9 and Benny The
Booucer.
Produced by Greg Lake at Advidion Studio.
ELP最盛期の作品。
聞き流すことが困難なで、それなり以上の覚悟をもって取り組まなければいけない作品。 もちろんパーマーのパーカッション・シンセサイザー等、演奏している方は楽しいだろうけどヴィジュアル無しで聴いているのは辛いパートがあるのは事実だが、よくもここまで造り込んだものである。
ただ、やはり本作品がエマーソンの作品であることは否めない。 ” Still... You Turn Me On ” の完成度は高いし、ピート・シンフィールドと構築したタイトル曲のコンセプトは見事なまでのハッタリをかましているが、レイクの貢献度は必ずしも高くない。
クリムゾンのファンの立場からすると、ちょっと残念な作品である。
(追加:2009年8月25日)
Welcome Back My Friends To The Show That Never Ends : Emerson, Lake & Palmer
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リリースは1974年
Produced By Greg Lake
Recorded Live On Emerson, Lake & Palmer's 1973 World Tour
ELP 絶頂期にリリースされたライヴ・アルバム。
3枚組LPなどということが許されたのは良い時代だったと思うが、全編全力投球で中弛みがないパフォーマンスが繰り広げられるのはバンドとしての完成度の高さ故だと思う。 後年のライヴで抜粋版として演奏される ” Karn Evil 9 ” を聴くと物足りなさを感じるのは、やはり本作品での演奏が強烈すぎたためだろう。
全編聴き所が多い作品であるが、やはりクリムゾンのファンとしては、” Battlefield including Epitaph ” が気になる。 自ら脱退し、人気の上でも圧倒的な差をつけたクリムゾンの楽曲を、メジャーな時期のELPで何故レイクが取り上げたのか改めて確認したい。
(追加:2009年9月25日)
1977
Works Volume 1 : Emerson, Lake & Palmer
Keith Emerson
Greg Lake
Carl Palmer
Emerson, Lake & Palmer
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Greg
Lake Side : Produced by Greg Lake and Peter Sinfield
Emerson, Lake & Palmer Side : Produced by Greg Lake
ELPの通称 『 四部作 』。
ELP史的には崩壊の始まりと位置づけられる作品だが、個人的には嫌いではない。 もちろんA面からD面まで連続して聴くことはまず無く、その日その時の気分で聴きたいとこだけを聴くパターンがほとんどではあるが。
各々が非ELP的なことを狙ったのは理解できるが、レイクの徹底したバラード・シンガーぶりにはやはり圧倒される。 やりたいことをやっているというより、やりたくないことを避けたらここに行き着いたという印象は強いものの、楽曲自体のクオリティは高くレイクのソロとして楽しむことは充分できる。
一方ELPとしての楽曲は、やはりつまらない。 GX-1の使用を禁じる、位の強権発動をしてくれればこの時期もう少し別な活動ができたのではないかと思ってしまう。
(追加:2009年12月25日)
Works Volume 2 : Emerson, Lake & Palmer
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アウトテイクとソロ作品をコンパイルした作品集。
Greg Lake のサイトによれば、プロデュースがレイク名義の曲が ELPとしての作品で、レイクとシンフィールド名義の作品がレイクのソロ作品とのこと。 権利関係をどうしても明確にしておきたかったのだろうが、聴く側にしてみるとそこまでしなくても充分にわかる内容ではある。
ELPの曲も小粒であることを除けば悪い出来ではないと思うが、本作品の数少ないハイライトはレイクによる ” Watching Over You
” と ” I Believe In Father Christmas ” であろう。 ワンパターンを超越した伝統芸能の域に達したレイクのバラードを、思う存分堪能することができる。
(追加:2010年2月10日)
Works Live : Emerson, Lake & Palmer
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リリースは1993年
1979年にシングル・アルバムとして発売された 『 In Concert 』 を拡充、CD2枚組で発売されたライヴ・アルバム。
オーケストラとの共演は当人達の意向なのだろうが、残念ながらその試みは失敗している。後期の楽曲での共演については、元々その楽曲自体に魅力を感じないのでどうでもよいが、初期の楽曲、特に
” Knife Edge ” での共演はダイナミズムを大きく損ねてしまっている。
とは言うものの、これはロッケンローな生き方を見事に記録した作品でもある。 周知の通り本作品の元になったツアーはオーケストラを帯同させたために赤字になり、メンバーも大きな負担を背負うことになった。 赤字になることなど予算を立てる段階で本来明らかになるはずで、それにも拘わらず丼勘定で初めてしまったのは 「オーケストラと共演したかったから」という初期衝動を貫いたに他ならない。 ビック・ビジネスとなった昨今のロック・コンサートにはあり得ない、ロッケンローな発想は素晴らしいと思う。
(追加:2010年6月10日)
1978
Love Beach : Emerson, Lake & Palmer
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ELPの胸毛アルバム。 ドラム・ソロでのシャツ脱ぎが芸になっているパーマーがおとなしめの格好をしている一方で、残る二人は思いっきり胸毛。 しかもエマーソンは右寄りモッコリまで披露。
などと、やはりどうしても正面から向き合うことが難しい作品である。 レイクによるヴォーカル小曲と、エマーソンによる組曲というELPの黄金パターンで構築しているのだが、曲自体の魅力が乏しい。 バハマでの録音であるとか、パンクの時代だからとかいう状況説明や時代考証以前に、曲に魅力が無くなってしまっていることが残念である。
これで ” Canario ” が無かったら、本作品を聴き直す機会は殆ど無くなっていたと思う。 CD2枚組のベスト・アルバム 『 The Atlantic
Years 』 に同曲が収録されたのも充分納得がいく。
(追加:2010年4月10日)
1980
The Best Of Emerson Lake & Palmer : Emerson, Lake & Palmer
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ELPの解散期に発表された、初ベスト・アルバム。
個人的には、ベスト・アルバムは不完全でなければならないと思っている。
なんでこの曲が入ってあの曲が入っていないのか、肝心のこの曲がなんでライヴ・テイクなのか、何だよこの短縮ヴァージョンは等々の議論できる要素が残っていることで、自分だったらこうするのにと妄想する時間が楽しかったりする。
それにしても、である。
LP時代であったことや、元々長尺の曲が多かったことを差し引いたとしてもこの選曲は酷い。
ただベスト・アルバムとしての機能は全く果たしていないのだが、酷すぎさが逆に個性となっていて、「ELPの代表曲の一部を中途半端に聴いてフラストレーションをためたい」と年に1回血迷った時には見事に機能する。
(追加:2019年11月25日)
1986
Emerson, Lake & Powell : Emerson, Lake & Powell
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Keith Emerson ・ Keyboards
Greg Lake ・ Vocals, Bass And Guitars
Cozy Powell ・ Drums And Percussion
Produced By Tony Taverner ・ Greg Lake
ELPの特集等で本作品が語られる時、総じてその評価は温かい。 褒めちぎることができない作品であることは否めないが、パーマーを迎えた再結成後の作品より評価が高い。
確かにデジタル・シンセの音は下品だ。 しかしプログレ・フォーマットで展開される作品集としては秀逸である。
エマーソンを中心とした勇壮な曲と、” Lay Down Your Guns ” に代表されるレイクを中心としたバラードと分かりやすい二極分化は、ELPのセルフ・パロディのように思えなくもない。ただ当人達が真摯に取り組んでいることが功を奏したのかギリギリの線でお笑いの領域には入らず、80年代半ばにおけるプログレ最高傑作だと思う。
それ故に1作品で崩壊してしまったことが残念でならない。 パウエルがドラマーとなった以上短命で終わることは宿命づけられていたのかもしれないが、この路線でアルバムを発表し続けたら、ELP第二のピークを迎えていたのではないかとまで思う。
(追加:2005年9月25日)
1992
Black Moon : Emerson, Lake & Palmer
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90年代に再活動したEL&Pの作品。
マンネリと揶揄されることを避けたのか、EL&Pとしては新機軸となる重めの曲が多く占めている。ただ聴く側は我儘なもので、従来型インストの
” Changing States ” やクラシック・カヴァーの ”Romeo And Juliet ”、そしてレイクのバラードとキースのピアノ・ソロといった楽曲を結局の所求めてしまっている。
多分これらの曲をオープニングとラストに持ってきて、新機軸の重めの曲を中間に配置するといった曲順にしておけば、アルバム全体の印象が大きく変わるだけではなく、CDのプレイ・ボタンを押す機会はもっと多くなったのではないかと思う。
(追加:2010年12月25日)
Black Moon : Emerson, Lake & Palmer
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『 Black Moon 』 からのタイトル曲のシングル・カット。 オリジナル・ヴァージョンと短縮ヴァージョンが収録されている。
” A Blade Of Grass ” は、エマーソンによるピアノ小曲。
(追加:2017年1月25日)
Affairs Of The Heart : Emerson, Lake & Palmer
Track 2 Previously Unreleased Radio Version
Tracks 3 & 4
Digitally Remastered from the Original Master Tapes , are also available
on the Atlantic Anthology " The Atlantic Years "
『 Black Moon 』 からのシングル・カットで、グレッグ・レイクのヴォーカルとアコースティック・ギターがフィーチャーされている。
魅力がある楽曲かどうかは微妙なのだが、本作品のリリース目的は2つある。
1つは裏ジャケットの 「 Emerson, Lake & Palmer will be playing live at London's Royal Albert Hall 2nd & 3rd October 1992 」 とのクレジットで、CD化もされた本ライヴで EL&P の復活をアピールする意気込みは相当なものだったと思われる。
もう1つは、『 The Atlantic Years 』 の宣伝がされていることである。 Victory の作品で Atlantic
の作品がプロモーションされているのは、プログレよりも深遠なお金が背景にあるものと思われる。
(追加:2019年11月25日)
The Atlantic Years : Emerson, Lake & Palmer
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ELP が 『 Black Moon 』 で活動を再開したタイミングに合わせてリリースされたベスト・アルバム。
2枚組CDという特性は最大限に活かしているし、年代順という編集もリリースされたタイミングも良い。
この後100種類以上(勝手な推測値)リリースされた ELP のどのベスト・アルバムよりも良い。
それでも何故 ” Hoedown ”
を外してしまったのかだけが判らない。 『 Trilogy 』 からの楽曲を ” Hoedown ” だけにしておけば、” Nutrocker ”
も収録できたのに、あわよくば ” Fanfare For The Common Man ” もフルレングス収録できたのに、などと考えてしまう。
個人的には ” Canario ” の素晴らしさを認識できたことが収穫である。 胸毛と右モッコリのジャケットで聴く機会が少ない 『 Love
Beach 』 の中の楽曲でも、歴代の楽曲に負けない輝きを持っていることがよく判る。
(追加:2019年11月25日)
Live At The Royal Albert Hall : Emerson, Lake & Palmer
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リリースは1993年
Keith Emerson
Keyboards
Greg Lake Bass / Vocal
Carl Palmer Drums
Recorded Live at Royal Albert Hall in London in October, 1992
90年代に入って復活したEL&Pのライヴ・アルバム。
復活後第1作の 『 Black Moon 』 や、本ライヴ後の 『 In The Hot Seat 』
は正直いって何だかなぁ、と言った出来だったのだが本作品は良い、素晴らしい。
コンパクトにまとめた” Karn Evil No. 9 ” や ” Tarkus ”
は原曲のめくるめく展開を楽しむことはできないし、ピアノ・ソロをお腹いっぱいに堪能することもできない。 ただこれは90年代という時代を考えた場合、適切な判断だと思う。 無い物ねだりをしたらきりがない一方で、アナログ3枚組に耐えうる時代ではない。 強引に考えれば、『
Welcome Back ~ 』 と 『 Works Live 』 の抜粋盤としても機能している。
フィナーレのメドレーは予定調和と言ってしまえばそれまでかもしれないが、本作品のハイライトだと思う。 多分演奏している側も、一番楽しんでいるのだろう。
(追加:2006年7月25日)
1993
The Return Of The Manticore : Emerson, Lake & Palmer
Disc One The New Recordings
The Classic Recordings
Disc Two
Disc Three
Disc Four
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ボックスが流行してた時代に、テレも臆面もなくリリースされた
EL&P の4枚組ボックス。 この辺りの屈託のなささは、EL&P ならではである。
やはりボックスというフォーマットは EL&P
には不利に思える。 良くも悪くも予定調和を強いるバンドであり、またそこに自らハマっていくことで EL&P を楽しんできた身には、オリジナル・アルバムとの曲順の違いには違和感を覚える。 ”Benny The Boucer ” から ” Karn Evil
9 1st Impression ” の落差のある流れが体に染み付いていることや、” Fanfare For The Common Man ” と
” Pirates ” はセットで無ければいけないとか、本当にどうでも良いことばかりが気になってしまう。
ただボックスにつきもののアウトテイクの代りに旧曲の新録を入れるという発想は、斬新なのか単なるネタ切れなのかよくわからないが、EL&P
らしいという妙な説得感が凄くある。
(追加:2017年6月25日)
1994
In The Hot Seat : Emerson, Lake & Palmer
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現段階で EL&P の最新スタジオ・アルバム。
評判の良い作品ではない。 エマーソンのコンディション、プロデューサーとの関係、展覧会の再録、楽曲自体の魅力等々確かにその通りかもしれない。 更に挙げるならば、バンドとしてのケミストリーが無いことが 正直悲しい。
現在に至るまで、EL&P として断続的にライヴを重ねているが、本作に続くスタジオ・アルバムを期待したい。 ライヴを重ねている、言ってもスタジアム級での演奏ではないだけに収益面で大きな成果は期待できないわけで、スタジオ・アルバムに対してモチベーションを持つことも可能だと思うのだが...
思いっきりのプログレ作品で無くてもいいから、なんとか実現してほしい。
(追加:2011年8月25日)
2007
From The Beginning : Emerson, Lake & Palmer
Disc One
Disc Two
Disc Three
Disc Four
Disc Five Live at Mar Y Sol Festival, Puerto Rico 4th January 1972★★
DVD "The Manticore Special" DVD
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1993年の 『 The Return Of The Manticore 』 に続くELPの2つ目のボックス。
『 The Return Of The Manticore 』 と異なりライヴ、別ミックス、シングル・ヴァージョンをふんだんに採用しているにもかかわらず、同作との違いがあまり感じられない作品である。 くどいようだが 『 The Return Of The Manticore 』 に収録されていない楽曲が本作品には含まれているにもかかわらずである。
このことを否定的に捉えてはいけない。 嫌味でも何でもなく、既視感ならぬ既聴感を味わうことこそがELPの楽しみ方である。 ライヴに行ってエマーソンがオルガンを倒さなかったら、レイクがバラードを唄わなかったら、パーマーがドラム・ソロで上半身裸にならなかったらがっかりするのと同じように、編集の妙で新たな魅力が発見される作品だったらがっかりするに違いない。
それが故に本作品はELPの真髄を極めていると言っても過言ではない。 私は 『 In The Hot Seat 』 より本作品の方が好きだし、聴いた回数も数倍上廻っている。
更にせっかくの Mar Y Sol Festival の音源を2011年に単独発売していたり、ビジネス感覚の欠如が露呈しているツアーのドキュメンタリーをダラダラと収録していたりで、この辺りもELPならではのチャーミングなところである。
(追加:2023年12月10日)
2017
Brain Salad Surgery : Emerson, Lake & Palmer
Produced by Greg Lake | Originally released 1973 | Jakko M Jakszyk 2014 Stereo Mixes
2017年4月22日の Record Store Day 2017 で発売された作品。
NME誌の付録だったソノシートの復刻版だが、2014年のジャッコによるミックスが採用されている。
33 1/3 r.p.m.の7インチ透明ディスクの片面に2曲とも収録されている。
(追加:2018年4月25日)